時々の血便…実は痔ではなく大腸がんのサイン?|大腸カメラで判明した40代女性の実例
「排便のときだけ、少し赤い血がつく」
「毎回じゃないし、痛みもないから痔かな……」
こう考えて様子を見てしまう方はとても多いですが、実は血便の中には大腸がんが原因のケースもあります。
今回の記事では、40代女性で“時々ある血便”から大腸がんが見つかった実際の症例を、専門医の視点でわかりやすく解説します。
血便があり受診を迷っておられる方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
池袋で血便・大腸カメラをご相談の方へ
時々出る血便でも、大腸ポリープや大腸がんが隠れていることがあります。痛みがない場合や、痔だと思っている場合でも、繰り返す血便がある方は一度ご相談ください。
時々ある血便を放置してはいけない理由
血便が出ると、多くの方がまず「痔かもしれない」と考えます。確かに、痔や切れ痔によって排便時に鮮血が付くことはよくあります。
しかし、血便の原因は痔だけではありません。大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、感染性腸炎、虚血性腸炎など、大腸の病気でも血便が出ることがあります。
特に大腸がんは、早期には自覚症状が乏しいことがあります。進行してくると、血便、便秘や下痢、便が細くなる、残便感、貧血、腹痛などの症状が出ることがあります【1】。
「時々しか出ない」「痛みがない」「少量だから大丈夫」と思っていても、症状だけで原因を判断することは難しいため、繰り返す血便がある場合は一度大腸カメラで確認することが大切です。
血便の原因全体について詳しく知りたい方は、血便の原因と治療についてもご参照ください。
血便を起こす起こす主な原因
時々ある血便では、次のような病気を考えます。
- 痔核・裂肛:排便時に赤い血が付くことがあります。痛みを伴うこともありますが、痛みがない場合もあります。
- 大腸ポリープ:ポリープの大きさや場所によって出血することがあります。大腸がんの前段階として重要です。
- 大腸がん:少量の血便や便通異常をきっかけに見つかることがあります。特にS状結腸や直腸の病変では血便や便の狭小化が出やすいとされています【1】。
- 潰瘍性大腸炎:血便、粘液便、下痢、腹痛が続くことがあります。
- 感染性腸炎:腹痛、下痢、発熱を伴って血便が出ることがあります。
- 虚血性腸炎:突然の腹痛と血便で発症することが多い病気です。
血便は、出血の色や量だけで完全に原因を見分けることはできません。とくに、繰り返す血便や痛みのない血便では、大腸カメラで大腸の中を直接確認することが重要です。
大腸がんとは?
大腸がんは、大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍です。大腸ポリープが時間をかけてがん化することもあり、大腸カメラでポリープを見つけて切除することは、大腸がんの予防にもつながります。
大腸がんは50代以降に多い病気ですが、30代・40代で発症することもあります。今回の症例のように、40代で「時々ある血便」をきっかけに見つかることもあります。
大腸がんの代表的な症状には、血便、便秘・下痢、便が細い、残便感、貧血、腹痛などがあります。ただし、早期では症状がほとんどないこともあるため、便潜血陽性や血便をきっかけに検査を受けることが大切です【1】。
大腸がんの症状・検査・治療について詳しく知りたい方は、大腸がんの詳しい解説ページもご確認ください。
実際の治療例|40代女性「時々起こる血便」
【症状】
数か月前から毎回ではないが、排便時に赤い血が混じっていた。
痔かもしれないなと思って様子を見ていたが、家族が念のため病院に行った方がいいと勧め当院を受診。
【診察】
症状と血便の性状からは以下の疾患を想定しました。
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痔核(いぼ痔・切れ痔)
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大腸ポリープ
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大腸がん
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潰瘍性大腸炎
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感染性腸炎
症状だけでの判断は難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行いました。
▶大腸カメラの流れや鎮静剤を使った検査については、池袋で受ける大腸カメラの詳しい説明をご覧ください。
【検査】
大腸カメラを施行すると、
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S状結腸に40mm大の腫瘍を確認
- 出血を伴っており、血便の原因と考えました。
-
生検(組織検査)で大腸がんと診断
実際の内視鏡画像
【治療】
内視鏡診断では進行がんであり、内視鏡での治療は適応外と判断。
外科手術治療対応可能な高次医療機関に紹介。
紹介先の外科で手術を受け、術後の病理診断は ステージⅡで、無事に治癒切除となりました。
早めに大腸内視鏡を受けたことで、適切なタイミングで治療を行うことが出来ました。
血便で受診を考えた方がよい目安
血便が一度だけで、その後まったく症状がない場合でも、不安があれば一度相談していただくと安心です。
特に次のような場合は、痔だけで説明できない病気が隠れている可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
- 血便を繰り返している
- 痛みがないのに血が出る
- 便に血が混じっている
- 便器が赤くなるほど出血する
- 便が細くなってきた
- 残便感が続く
- 便秘と下痢を繰り返す
- 体重が減ってきた
- 貧血を指摘された
- 家族に大腸がんの方がいる
- 便潜血検査で陽性と言われた
便潜血検査で陽性となった場合、日本では精密検査として全大腸内視鏡検査が用いられています【2】。便潜血検査をもう一度行って陰性だったとしても、大腸がんや大腸ポリープが否定できるわけではありません。
便潜血陽性と言われた方は、便潜血陽性で大腸カメラが必要な理由もあわせてご覧ください。
血便で受診を迷っている方へ
「痔だと思う」「時々だから大丈夫」と思っていても、大腸ポリープや大腸がんが隠れていることがあります。繰り返す血便がある方は、早めに消化器内科でご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
院長からのコメント
時々出るわずかな血便でも、今回のように大腸がんが原因のケースがあります。
もちろん痔が原因のことも多いですが、見た目では判別できません。
大腸がんは早期の段階では症状がほとんどないため、血便がある方は一度大腸内視鏡を受けていただくと安心です。
池袋上田胃腸クリニックでは、鎮静剤や低痛挿入法を用いた無痛大腸カメラを行っています。池袋周辺で大腸カメラをご検討の方は当院へご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法、大腸に合わせたカメラの選択で苦しくない内視鏡検査
- オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 下剤の工夫による負担の少ない前処置
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土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問(FAQ)
Q1. 血便はすべて大腸がんですか?
A. 痔のこともありますが、ポリープや大腸がんの可能性もあります。
Q2. 若くても大腸がんになりますか?
A. はい。30〜40代でも発症例はあります【1】。
当院では20代の大腸がんの方も経験しております
Q3. 痛みなどの自覚症状がなくても大腸がんの可能性はありますか?
A. あります。大腸がんは初期症状が乏しいことが多いです。
Q4. 血便が出たら何科を受診すべき?
A. 消化器内科・胃腸科の受診がよいと思います。
Q5. 大腸内視鏡(大腸カメラ)は痛いですか?
A. 当院では挿入法の工夫や鎮静剤の使用で苦痛なくお受けいただけます。
▶大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
Q6. 血便は毎回出なくても問題ありますか?
A. 断続的な血便でも病気が隠れていることがあります。
Q7. 大腸内視鏡検査の所要時間は?
A. 検査自体は15〜20分程度です。
Q8. 便潜血検査だけでは不十分?
A. はい。陽性でも陰性でも精密検査(大腸カメラ)が必要なことがあります【2】。
Q9. 大腸ポリープはすぐに切除できますか?
A. 多くは大腸内視鏡検査時に切除できます。
Q10. 家族に大腸がんがいる場合の検査時期は?
A. 家族の発症年齢−10歳、または35歳前後が目安です【3】。
まとめ
時々ある血便は、痔による出血のこともあります。しかし、今回の症例のように、大腸がんが原因で血便が出ていることもあります。
- 時々出る血便でも大腸がんが隠れていることがある
- 痔と大腸がんの血便は、見た目だけでは判断が難しい
- 痛みがない血便、繰り返す血便、便が細い・残便感がある場合は注意が必要
- 便潜血陽性の場合は、精密検査として大腸カメラを受けることが大切
- 大腸カメラは、大腸ポリープや大腸がんを直接確認できる重要な検査
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
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参考文献
【1】国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
【2】厚生労働省 がん検診の有効性評価
【3】American Cancer Society – Colorectal Cancer Screening Guidelines
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
