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午後になるとお腹が張る原因は?市販薬で治らない腹部膨満と過敏性腸症候群の実例

[2025.12.16]

「朝は問題ないのに、午後になるとお腹がパンパンに張る」

「ガスがたまって苦しいけれど、検査するほどではない気がする」

このような時間帯によって悪化するお腹の張りは、実は外来でも非常に多い相談です。

市販の整腸剤を試しても改善せず、「大腸がんなどの病気では?」と不安になって受診される方も少なくありません。

今回は、午後になるとガスがたまり張る症状が1年以上続いた40代女性の実際の診療例をもとに、原因・検査・治療について専門医の院長がわかりやすく解説します。

同様の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント
  • 午後にお腹が張る症状は、食事・腸内発酵・腸管運動・ストレスなどが関係して起こることがあります。
  • 市販の整腸剤で改善しない場合、腸の動きや知覚過敏が関係する過敏性腸症候群(IBS)や機能性腹部膨満が隠れていることがあります。
  • 40代以降で症状が長く続く場合は、大腸がん・大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎などを除外することが大切です。
  • 血便、体重減少、貧血、発熱、夜間症状、便潜血陽性がある場合は、早めに消化器内科へご相談ください。
  • 原因を確認したうえで、薬物療法・食事療法・生活習慣の調整を組み合わせることで改善が期待できます。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、お腹の張り、ガスだまり、腹痛、便秘、下痢、便通異常などの胃腸症状について、消化器内科専門医が診察を行っています。

必要に応じて、血液検査・腹部エコー・大腸カメラなどを組み合わせ、症状に合わせた治療をご提案します。

お気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

午後のお腹の張りを起こす主な原因

午後になるとお腹が張る原因として、代表的には以下のようなものがあります。

  • 過敏性腸症候群(IBS):腸の動きや知覚が過敏になり、腹痛・便通異常・張り・ガスが起こる
  • 機能性腹部膨満:検査で異常がないにもかかわらず、張りや膨満感が続く
  • 便秘・残便:便やガスが腸内に停滞し、午後から張りが強くなる
  • 腸内発酵:小麦、乳製品、豆類、玉ねぎ、果物、人工甘味料などでガスが増える
  • ストレス・自律神経の乱れ:腸の動きや知覚が敏感になり、張りを感じやすくなる
  • 大腸がん・大腸ポリープ・炎症性腸疾患:頻度は高くありませんが、長引く症状では除外が必要

過敏性腸症候群と腹部膨満

過敏性腸症候群(IBS)は、内視鏡検査や血液検査などで明らかな炎症や腫瘍がないにもかかわらず、腹痛・便秘・下痢・お腹の張りなどが繰り返される病気です【1】【2】。

IBSでは、腸そのものに大きな傷や腫瘍があるわけではありません。しかし、腸の動きが乱れたり、腸が刺激に敏感になったりすることで、少量のガスや便でも強く張りを感じることがあります。

また、腹痛や便通異常がはっきりしない場合でも、機能性腹部膨満として、IBSに近い考え方で治療を進めることがあります。

▶過敏性腸症候群について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら

市販薬で治らないのはなぜ?

市販の整腸剤やガスを減らす薬で一時的に楽になる方もいますが、改善しない場合には、単に「腸内環境が悪い」だけではなく、以下のような背景があることがあります。

  • 腸の動きそのものが乱れている
  • 少量のガスでも強く張りを感じる知覚過敏がある
  • 食事に含まれる発酵性糖質が症状を悪化させている
  • 便秘や残便が隠れている
  • ストレスや生活リズムの乱れで腸の反応が強くなっている
  • 大腸の病気をまだ確認できていない

そのため、市販薬で改善しない腹部膨満では、薬を変える前に、本当に重大な病気が隠れていないかを確認することが大切です。

実際の治療例|40代女性「午後になるとガスがたまってお腹が張る」

【症状】

  • 1年ほど前から

    • 午後になるとお腹にガスがたまり張る

    • 見た目にもお腹が膨らむ感じ

  • 便秘・下痢は目立たない

  • 市販の整腸剤を内服するも改善なし

  • 「大腸の病気が隠れているのでは」と心配になり来院

日常生活に支障が出るほどではないものの、症状が1年以上続いており、ご本人も強い不安を感じていました。

【診察】

診察時点で、以下の疾患を鑑別に挙げました。

  • 大腸がん・大腸ポリープ

  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)

  • 腸管運動異常

  • 過敏性腸症候群(IBS)

特に40代以降で症状が長期間続く場合は、「ストレスです」「体質です」と決めつけるのではなく、がんや炎症などの器質的疾患の除外が重要です。

正しく状態を把握し、治療方針を立てるため大腸カメラ(内視鏡検査)を行いました。

【検査|大腸カメラ】

大腸カメラではポリープ・炎症・がんなどの異常所見はなく、過敏性腸症候群(IBS)と診断しました。

実際の内視鏡画像

大腸内に異常は認めませんでした

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▶無痛大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます

【治療|薬+食事療法で改善】

今回は以下の治療を行いました。

1. 腸の動きを整える薬

腸管運動の乱れを整え、ガスが腸内に停滞しにくくなることを目的に、腸の動きを調整する薬を使用しました。

2. 漢方薬

お腹の張りやガス、腸の過敏性をやわらげる目的で、体質や症状に合わせて漢方薬を組み合わせました。

3. 低FODMAP食の指導

FODMAPとは、腸で発酵しやすい糖質の総称です。小麦、玉ねぎ、にんにく、乳製品、一部の果物、豆類、人工甘味料などは、人によって腸内でガスを増やし、お腹の張りを悪化させることがあります【3】【4】。

低FODMAP食では、これらを一時的に控え、症状が落ち着いたあとに少しずつ戻して、自分に合わない食品を見つけていきます。

今回の患者さんは、薬物療法と食事内容の見直しを組み合わせることで、数週間ほどで午後の張りが明らかに軽くなりました。

低フォドマップ食とは?

フォドマップとは、発酵性の糖質のことで大腸で発酵しガスを発生させ、小腸で吸収されにくく水分を引き込む性質があるため、お腹の張りや下痢の原因になることがあります。

低フォドマップ食は、このフォドマップを多く含む食品を一時的に減らす食事法です。

主な制限対象は以下の通りです。

分類

食べてよい食品

控えた方がよい食品

穀類

米、そば、オートミール

小麦、大麦、ライ麦

野菜

にんじん、なす、トマト、レタス、きゅうり

玉ねぎ、にんにく、カリフラワー、マッシュルーム

果物

いちご、みかん、ぶどう、バナナ

りんご、梨、スイカ、マンゴー

たんぱく質

肉、魚、卵、豆腐(木綿)

大豆製品(納豆、豆乳など)

乳製品

ラクトースフリー牛乳、アーモンドミルク

牛乳、ヨーグルト、ソフトチーズ

その他

–

人工甘味料(ソルビトール、マンニトールなど)

低フォドマップ食を取り入れた過敏性腸症候群の患者さんの約70%で症状が改善したとのデータも上がっており、当院でも積極的に取り入れています。

▶関連ページ:過敏性腸症候群に有効な食事療法「低フォドマップ食」とは?

受診の目安

午後のお腹の張りは、生活習慣や食事内容の影響で起こることもあります。

しかし、以下のような場合は、消化器内科での相談をおすすめします。

  • お腹の張りが数週間以上続いている
  • 市販薬や整腸剤で改善しない
  • 40代以降で新しく症状が出てきた
  • お腹の張りが徐々に悪化している
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 便が細くなった
  • 血便がある
  • 便潜血検査で陽性と言われた
  • 体重が減っている
  • 貧血を指摘された
  • 発熱や強い腹痛を伴う
  • 大腸がんや炎症性腸疾患の家族歴がある

特に、血便・体重減少・貧血・便潜血陽性・便が細いといった症状がある場合は、「IBSだろう」と自己判断せず、早めに検査を検討しましょう。

院長からのコメント

午後になるとお腹が張る症状は、「体質」「年齢のせい」と片付けられがちですが、検査で異常がないことを確認したうえで治療することが非常に重要です。

過敏性腸症候群は、

  • 薬

  • 食事

  • 生活リズム 

を組み合わせることで、日常生活がかなり楽になる病気です。

「検査を受けるほどではないかも」と我慢している方も多いですが、不安を抱えたまま過ごすより、一度状態を確認しておくことで治療の選択肢が広がります。

池袋周辺で、お腹の張り・ガスだまり・便通異常でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 午後になるとお腹が張るのは過敏性腸症候群ですか?

A. 過敏性腸症候群や機能性腹部膨満でみられることがあります。ただし、便秘、食事内容、腸内発酵、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患などでも起こることがあるため、症状が続く場合は消化器内科で確認することが大切です。

 

Q2. 朝は平気なのに午後だけお腹が張るのはなぜですか?

A. 朝から食事をとることで腸が動き、午後にかけて腸内発酵やガスの停滞が起こりやすくなるためです。腸管運動の乱れやストレス、自律神経の影響が重なると、午後から夕方に症状が強くなることがあります。

 

Q3. 市販の整腸剤で治らない場合はどうすればいいですか?

A. 整腸剤で改善しない場合、腸内環境だけでなく、腸の動き、知覚過敏、便秘、食事内容、大腸の病気などが関係している可能性があります。数週間以上続く場合や不安がある場合は、消化器内科で診察を受けることをおすすめします。

 

Q4. お腹の張りだけでも大腸カメラは必要ですか?

A. すべての方に必要なわけではありません。ただし、40代以降で症状が長く続く、血便がある、便潜血陽性、体重減少、貧血、便が細い、家族歴がある場合などは、大腸カメラで大腸がんや炎症性腸疾患を除外することが大切です。

 

Q5. ガスが多いのは食事のせいですか?

A. 食事が関係していることはあります。小麦、玉ねぎ、にんにく、乳製品、豆類、一部の果物、人工甘味料などは、人によって腸内発酵を起こしやすく、ガスや腹部膨満の原因になることがあります。

 

Q6. 低FODMAP食はずっと続ける必要がありますか?

A. いいえ、基本的には一時的に行い、症状を見ながら少しずつ食品を戻していきます。自己流で長期間続けると栄養バランスが偏ることがあるため、医師や管理栄養士の指導のもとで行うのが理想です。

 

Q7. 便秘や下痢がなくても過敏性腸症候群の可能性はありますか?

A. IBSでは腹痛や便通異常を伴うことが多いですが、張りやガスが目立つタイプもあります。また、腹痛や便通異常がはっきりしない場合は、機能性腹部膨満として診療することもあります。

 

Q8. ストレスでお腹が張ることはありますか?

A. あります。腸は自律神経の影響を受けやすく、ストレスや緊張、睡眠不足、生活リズムの乱れによって腸の動きや知覚が敏感になり、張りや腹痛を感じやすくなることがあります。

 

Q9. お腹の張りで早めに受診した方がよい症状はありますか?

A. 血便、便潜血陽性、体重減少、貧血、発熱、強い腹痛、夜間に目が覚める症状、便が細くなった、症状が急に悪化した場合は早めの受診をおすすめします。

 

Q10. 何科を受診すればいいですか?

A. お腹の張りやガス、便通異常が続く場合は、消化器内科・胃腸内科での相談がおすすめです。必要に応じて血液検査、腹部エコー、大腸カメラなどを組み合わせて原因を調べます。

まとめ|午後の腹部膨満感を放置しないで

  • 午後にお腹が張る症状が続く場合

  • 市販薬で改善しない場合

  • 不安がある場合

一度、大腸の検査を受けたうえで適切な治療を行うことが大切です。

当院では

  • 鎮静下での大腸内視鏡

  • 過敏性腸症候群の専門的治療 が可能です。

同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

当院の大腸カメラの特徴

  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法、大腸に合わせたカメラの選択で苦しくない内視鏡検査

  • オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
  • 下剤の工夫による負担の少ない前処置
  • 土日対応、事前診察は原則不要

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

  1. 日本消化器病学会. 患者さんとご家族のための過敏性腸症候群(IBS)ガイド2023.
  2. 日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2020―過敏性腸症候群(IBS).
  3. Lacy BE, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol. 2021;116(1):17-44.
  4. Staudacher HM, et al. Mechanisms and efficacy of dietary FODMAP restriction in IBS. Gut. 2017.
  5. Chey WD, Kurlander J, Eswaran S. Irritable bowel syndrome: a clinical review. JAMA. 2015;313(9):949-958.

 

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