【要注意】冬になると下痢が続く…過敏性腸症候群だと思っていたら“潰瘍性大腸炎”だった実例
寒くなるとお腹を壊しやすい。
冬は下痢が続くけれど、毎年同じだから「体質」「過敏性腸症候群(IBS)」だと思っている——。
このように季節性の下痢を“いつものこと”として受け止めている方は少なくありません。
しかし実際には、症状がよく似た別の病気が隠れていることもあります。
今回は、過敏性腸症候群と考えられていた20代男性に、薬が効かなくなったことをきっかけに潰瘍性大腸炎が見つかった実例をご紹介します。
慢性的な下痢や季節性の下痢ででお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|20代男性「冬になると下痢がひどくなる」
【症状】
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もともと寒い時期になると下痢しやすい
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過去に過敏性腸症候群(IBS)と診断されていた
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毎年冬になると、近所の内科でイリボーを内服すると落ち着いていた
ところが今年は、
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イリボーを飲んでも下痢が改善しない
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「いつもと違う感じがする」と不安になり受診
【診察】
診察では、以下の点が気になりました。
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これまで薬が効いていたのに、今年は全く効かない
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下痢の頻度・持続が例年より強い
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冷えやストレスで悪化する点はIBSと似ているが、経過が非典型
鑑別として考えた主な疾患
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過敏性腸症候群(IBS)
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感染性腸炎
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
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大腸ポリープ・大腸がん(若年でも否定はできない)
数年前に大腸内視鏡(大腸カメラ)は一度受け異常なしとのことでしたが、
「念のためもう一度、大腸内視鏡(大腸カメラ)で腸の状態を確認しましょう」とご説明しました。
【大腸内視鏡】
大腸内視鏡検査を行ったところ、
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大腸粘膜にびまん性の炎症
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発赤・びらんの多発
を認め、中等度の潰瘍性大腸炎と診断しました。
<実際の内視鏡画像>
大腸全体にびらん・発赤といった炎症を認めています。
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▶無痛大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
潰瘍性大腸炎とは?
潰瘍性大腸炎は、
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大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気
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10〜30代の若い世代にも多い
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下痢・腹痛・血便を繰り返すことがある
悪化因子
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ストレス
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冷え
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生活リズムの乱れ
これらは過敏性腸症候群と共通しており【1】、症状が似ているため、自己判断では区別できません。
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▶潰瘍性大腸炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
【治療】
過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は症状こそ似ているけれど、治療は全く異なります
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過敏性腸症候群
→ 腸の動き・知覚過敏を整える薬(イリボーなど) -
潰瘍性大腸炎
→ 腸の炎症を抑える治療(5-ASA製剤など)
今回の患者さんも、診断後は潰瘍性大腸炎に対する治療を開始し、症状は改善しました。
院長からのコメント
「冬に下痢が悪化する」「ストレスでお腹を壊す」
これだけ聞くと、過敏性腸症候群と思われがちです。
しかし、
- 薬が効かなくなったとき
- いつもと症状が違うと感じたとき は、必ず一度立ち止まって検査を考える必要があります。
最初は過敏性腸症候群であっても後に潰瘍性大腸炎を発症したり、またそもそもの診断が間違っていた可能性もあります。
大腸カメラは、過敏性腸症候群と炎症性腸疾患を見分けるために最も重要な検査です。
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺での検査をご希望の方はぜひご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 冬だけ下痢が出るのは病気ですか?
A. 過敏性腸症候群が多いですが、潰瘍性大腸炎など別の病気が隠れていることもあります。
Q2. 過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は関係ありますか?
A. 別の病気です。症状は似ていますが、原因も治療も異なります。
Q3. 過敏性腸症候群の薬が効かなくなったらどうすれば?
A. 自己判断で続けず、消化器内科での検査をおすすめします。
Q4. 20代でも潰瘍性大腸炎になりますか?
A. はい。むしろ20〜30代に多い病気です【1】。
Q5. 血便がなくても潰瘍性大腸炎はありますか?
A. 初期では血便が目立たないこともあります。
Q6. 大腸カメラはつらいですか?
A. 鎮静剤を使用すれば、眠っている間に受けられます。
Q7. ストレスで悪化するのは過敏性腸症候群に特徴的ですか?
A. 潰瘍性大腸炎もストレスで悪化します。
Q8. 冷え対策だけで治りますか?
A. 生活改善は大切ですが、炎症があれば薬物治療が必要です。
Q9. 下痢止めを飲み続けても大丈夫?
A. 原因によっては症状を隠してしまうことがあります。
Q10. どのタイミングで受診すべき?
A. 薬が効かない・症状が長引く場合は早めに消化器内科・胃腸科を受診してください。
まとめ|「いつもの下痢」でも検査が必要なことがあります
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過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は症状が非常に似ている
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しかし、治療法は全く別
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薬が効かなくなったら、必ず再評価が必要
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大腸カメラは、見逃しを防ぐ最も確実な方法
「毎年同じだから大丈夫」と思わず、違和感を感じたら早めに専門医へ相談してください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
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参考文献
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Harbord M, et al. Third European Evidence-based Consensus on Diagnosis and Management of Ulcerative Colitis. J Crohns Colitis. 2017.
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
