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【要注意】下腹部の鈍痛が急に“激痛”へ…原因は「大腸憩室炎の穿孔(腹膜炎)」だった|50代男性の実例

[2026.01.02]

「下腹部がなんとなく痛い」「数日様子を見たら、急に耐えられない激痛になった」——

こうした経過の腹痛は、単なる胃腸炎ではなく、腸に穴が開く“緊急疾患”が隠れていることがあります。

その代表が大腸憩室炎の穿孔(せんこう)による腹膜炎です。

穿孔まで進むと、点滴や薬では追いつかず、緊急手術が必要になることもあります。

 この記事では、実際の治療例をもとに「症状」「見分け方」「検査」「治療」「早期受診の重要性」を、専門医の東海林院長が患者さんにもわかりやすく解説します。

下腹部痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 下腹部の鈍痛が急に激痛へ変わる場合は、腹部の強い炎症が隠れていることがあります。

✅ 大腸憩室炎・虫垂炎・腸閉塞・尿管結石・虚血性腸炎などは症状だけで見分けにくいことがあります。

✅ 発熱、歩くと響く痛み、お腹の硬さ、吐き気、冷や汗を伴う場合は早めの受診が大切です。

 

下腹部痛・急な腹痛でお困りの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、腹痛・下腹部痛・発熱を伴う腹痛などの診療を行っています。痛みが強い場合、発熱を伴う場合、数日たっても改善しない場合は、我慢せず早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

急激に悪化する下腹部痛の主な原因

下腹部の痛みが急に強くなる場合、原因は大腸憩室炎だけではありません。虫垂炎、感染性腸炎、虚血性腸炎、腸閉塞、尿管結石、女性では卵巣・卵管の病気なども鑑別が必要です。

特に「鈍痛だった腹痛が急に激痛へ変わった」「歩くと響く」「発熱がある」といった場合は、腹膜炎や腸管穿孔などの緊急疾患も考える必要があります。

関連ページ:
腹痛全般の原因や検査については、胃痛・腹痛外来もあわせてご覧ください。

大腸憩室炎の穿孔とは?

大腸憩室炎とは

大腸憩室とは、大腸の壁の一部が外側に袋状にふくらんだ状態です。憩室があるだけでは無症状のことも多いですが、そこに便や細菌が入り込んで炎症を起こすと、大腸憩室炎になります。

大腸憩室炎では、下腹部痛、発熱、圧痛、食欲低下などが起こります。軽症であれば外来での抗菌薬治療や食事調整で改善することがありますが、炎症が強い場合は膿瘍形成や穿孔などの合併症を起こすことがあります【1】【2】。

穿孔とは

穿孔とは、炎症が進んで腸の壁に穴があくことです。腸の中の便や細菌が腹腔内へ漏れると、腹膜炎を起こします。

腹膜炎が進行すると、強い腹痛、発熱、全身状態の悪化、敗血症などにつながることがあり、緊急の入院治療や手術が必要になることがあります【1】。

関連ページ:
大腸憩室症・憩室炎について詳しく知りたい方は、大腸憩室症・憩室炎の解説ページをご覧ください。

実際の治療例|50代男性「3日前からの腹痛が急激に悪化」

症状

3日前から下腹部に鈍痛。

治るかなと思い様子を見ていたところ、本日朝から急激に悪化。

動くだけで強い激痛があるとのことで当院を受診。

 

診察

下腹部痛が急に強くなる場合、次のような病気を区別する必要があります。

下腹部痛で考える主な鑑別
  • 大腸憩室炎(穿孔・膿瘍を含む)

  • 急性虫垂炎(右下腹部が中心)

  • 感染性腸炎

  • 虚血性腸炎

  • 腸閉塞

  • 血栓などによる血管障害
  • 尿管結石
  • 炎症性腸疾患(クローン病など)

  • (※女性の場合)卵巣・卵管の病気 など

症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査と腹部エコーを行いました。

 

検査

①血液検査
  • 白血球やCRPなど、炎症の程度を確認➡炎症反応の強い上昇あり。

②腹部エコー(超音波)
  • 腸管や尿管、血管などの原因となりうる臓器の状態を確認➡大腸のS状結腸に憩室炎と穿孔(腸管が破れて穴が開いた状態)を認めました。
<実際の内視鏡画像>

腸管の周囲に炎症による浮腫と炎症を起こして腫脹した憩室(黄色部分)と、

憩室の根元部分には穿孔を示唆する白点(矢印)を認め、大腸憩室炎+穿孔と診断しました。

📌ポイント:“最初は鈍痛”でも、穿孔すると途中から一気に悪化することがあります。

➡「痛みが強くなってきた」「熱が出てきた」は、早めの受診サインです。

関連ページ:
腹部エコーで確認できる病気や検査の流れについては、エコー検査のページをご覧ください。

 

治療

今回の患者さんは大腸憩室炎の穿孔による腹膜炎の状態で、緊急性が高い状態でした。

  • 腹膜炎として高次医療機関(外科)へ緊急紹介

  • 受け入れ先で手術治療となりましたが、幸い命に別状はなく退院後は通常通りの生活を送られています。

受診の目安

下腹部痛は、軽い胃腸炎や便秘でも起こります。しかし、次のような症状がある場合は、早めの受診が必要です。

  • 痛みが急に強くなった
  • 鈍痛だった腹痛が激痛へ変わった
  • 歩いたり動いたりするとお腹に響く
  • 発熱がある
  • お腹が張る、硬い感じがする
  • 吐き気や食欲低下がある
  • 血便がある
  • 数日たっても改善しない
  • 市販薬で様子を見ても悪化する

特に、「数日続いた腹痛が急に強くなる」という経過は、憩室炎の悪化、穿孔、腹膜炎などを疑う重要なサインです。

院長からのコメント

憩室炎はよくある病気ですが、“外来で通院治療できるケース”と“手術も含めた緊急治療が必要なケース”がはっきり分かれます。

今回のように、数日の鈍痛が急に激痛へ変わるときは、穿孔や腹膜炎の可能性があり、スピード勝負です。

逆に、炎症が初期の段階で受診できれば、外来で治療できることも多いです。

「我慢できるから大丈夫」ではなく、気になる痛みがある時は出来るだけ早めに医療機関への受診をお勧めします。

池袋で下腹部痛・腹痛が続く方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、腹痛の原因を診察・血液検査・腹部エコーなどで確認し、必要に応じて高次医療機関への紹介も含めて対応しています。

「我慢できるから大丈夫」と思っていても、痛みの性質が変わった場合は注意が必要です。気になる腹痛がある方は、早めにご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

よくある質問FAQ

Q1. 大腸に憩室があるだけで病気ですか?

A. 憩室があるだけの状態は「大腸憩室症」と呼ばれ、無症状のことも多いです。憩室に便や細菌が入り込んで炎症を起こした状態が「大腸憩室炎」です。

 

Q2. 下腹部の鈍痛だけなら様子を見てもよいですか?

A. 軽い痛みで一時的に改善する場合もありますが、痛みが強くなる、発熱がある、食欲が落ちる、歩くと響く場合は早めの受診をおすすめします。重症化のサインを見逃さないことが大切です。

 

Q3. 大腸憩室炎は何がきっかけで起こりますか?

A. 憩室内に便が入り込むことや、腸内細菌による炎症が関係します。便秘、腸管内圧の上昇、加齢による腸管壁の変化なども関係すると考えられています。

 

Q4. 大腸憩室炎は外来治療だけで治りますか?

A. 軽症で合併症がない場合は、外来での抗菌薬治療や食事調整で改善することがあります。一方で、膿瘍、穿孔、腹膜炎などを伴う場合は、入院治療や手術が必要になることがあります【1】【2】。

 

Q5. 穿孔していたら必ず手術になりますか?

A. 状態によります。局所的な小さな穿孔で全身状態が安定している場合は保存的治療が検討されることもありますが、腹膜炎が強い場合や全身状態が悪い場合は手術が必要になることがあります【1】。

 

Q6. エコーでも大腸憩室炎はわかりますか?

A. 腸管の観察に慣れた検査者が行う場合、腹部エコーで憩室炎を疑う所見を確認できることがあります。ただし、状態によってはCT検査が必要になることもあります。特に複雑性憩室炎が疑われる場合には、CTが診断や治療方針決定に重要です【4】。

 

Q7. 憩室炎と虫垂炎は症状が似ますか?

A. 似ることがあります。右下腹部の痛みが中心の場合は虫垂炎も鑑別が必要です。痛みの場所、発熱、血液検査、腹部エコーやCTなどを組み合わせて判断します。

 

Q8. 痛みが一時的に治まったら受診しなくてもよいですか?

A. 一時的に痛みが落ち着いても、内部で炎症が残っていることがあります。特に繰り返す腹痛、発熱を伴う腹痛、数日続く下腹部痛がある場合は受診をおすすめします。

 

Q9. 急性期に大腸カメラは必要ですか?

A. 炎症が強い急性期には、大腸カメラで腸管に負担がかかる可能性があるため、通常は状態が落ち着いてから必要に応じて行います。急性期が落ち着いた後、大腸がんなど他の病気が隠れていないか確認する目的で大腸内視鏡検査を検討することがあります【3】。

 

Q10. 大腸憩室炎の再発を防ぐ方法はありますか?

A. 便通を整えること、食生活を見直すこと、適度な運動、禁煙、体重管理などが再発予防に役立つ可能性があります。憩室炎を繰り返す場合は、状態によって手術が検討されることもあります【2】。

 

まとめ

下腹部痛はよくある症状ですが、なかには緊急性の高い病気が隠れていることがあります。特に、鈍痛だった腹痛が急に激痛へ変わる場合は、大腸憩室炎の穿孔や腹膜炎などに注意が必要です。

  • 下腹部の痛みが鈍痛から急な激痛へ変化した場合は要注意です。
  • 大腸憩室炎は、軽症なら外来治療で改善することがあります。
  • 悪化すると、穿孔、腹膜炎、入院、手術が必要になることがあります。
  • 発熱、歩くと響く痛み、お腹が硬い感じ、吐き気、血便を伴う場合は早めの受診が大切です。
  • 症状だけで判断せず、血液検査・腹部エコー・CTなどで状態を確認することが重要です。
下腹部痛が急に強くなった方へ

「少し痛いだけだから」と様子を見ていた腹痛が、急に強くなった場合は注意が必要です。大腸憩室炎の穿孔や腹膜炎は、早めの判断が大切な病気です。

池袋で下腹部痛・腹痛・発熱を伴うお腹の痛みでお困りの方は、池袋上田胃腸クリニックへご相談ください。

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📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

  1. Sartelli M, Weber DG, Kluger Y, et al. 2020 update of the WSES guidelines for the management of acute colonic diverticulitis in the emergency setting. World Journal of Emergency Surgery. 2020;15:32.
  2. Peery AF, Shaukat A, Strate LL. AGA Clinical Practice Update on Medical Management of Colonic Diverticulitis: Expert Review. Gastroenterology. 2021;160(3):906-911.
  3. Hall J, Hardiman K, Lee S, et al. The American Society of Colon and Rectal Surgeons Clinical Practice Guidelines for the Treatment of Left-Sided Colonic Diverticulitis. Diseases of the Colon & Rectum. 2020;63(6):728-747.
  4. NICE guideline NG147. Diverticular disease: diagnosis and management. National Institute for Health and Care Excellence. 2019.

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