【実際の治療例】食後に痰がからむ・喉がスッキリしない…耳鼻科で異常なしでも「逆流性食道炎」だった30代男性
「食後になると痰がからんで、何度も咳払いしてしまう」
「耳鼻科で検査しても異常なし。薬を飲んでも変わらない…」
こうした“のど”の症状は、原因が鼻や喉ではなく胃酸の逆流にあるケースがあります。
逆流性食道炎は胸やけだけでなく、喉の違和感・痰がらみ・咳払いなど“食道の外”の症状として出ることもあるため、判断が難しくなりがちです。
このページでは、池袋上田胃腸クリニックを受診された30代男性の実例をもとに、症状の見立て、胃カメラ所見、治療と再発予防までを患者さんにも分かりやすくまとめます。
食後の痰がらみでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|30代男性「食後に痰が絡んで取れない」
症状
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数か月前から、食後に痰がからむ感じが続く
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耳鼻科で喉頭ファイバー、アレルギー検査 → 明らかな異常なし
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「逆流の可能性がある」と言われ治療開始するも、2週間経っても改善せず
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次に内科を受診し薬を変更しても改善せず、当院へ
✅ポイント:“食後に強い”症状は、逆流と関連することがあります(ただし他疾患も多いので要評価)
診察
今回の患者さんは
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症状が食後に集中している
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耳鼻科で器質的疾患が示唆されなかった
という点から、まず逆流性食道炎を強く疑いました。
一方で、痰がらみ・喉の違和感には他の原因もあるため、診察では次のような鑑別も意識します。
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後鼻漏(鼻炎・副鼻腔炎)/アレルギー
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気管支喘息・咳喘息
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風邪後の遷延咳嗽、慢性咽頭炎
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喫煙・飲酒・乾燥、声の酷使
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薬剤(例:ACE阻害薬)による咳
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好酸球性食道炎、食道運動障害 など
正しく状態を把握し、治療方針を立てるため胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。
実際の内視鏡画像
胃と食道のつなぎ目に線状の炎症(黄色部分)を認め、GradeAの逆流性食道炎と診断しました。

💡当院では最短当日に胃カメラがお受け頂けますので、お気軽にお問い合わせください。
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- 関連ページ:無痛胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎は、胃酸や胃内容物が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症(びらん)が起こる状態です。
原因には、下記が複合して関わります。
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胃酸分泌が強い/胃内圧が上がる
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食道と胃の境目(下部食道括約筋)のゆるみ
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胃の動き(排出)が落ちて、胃内容が停滞する
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生活習慣(飲酒、食習慣、体重増加、就寝前の飲食など)
逆流性食道炎は胸やけだけでなく、喉の違和感、咳払い、痰がからむ感じといった“非典型症状(食道外症状)”として出ることもあります。
ただし、食道外症状は他原因も多く、必要に応じて検査で裏付けを取る考え方が推奨されています
関連ページ
▶逆流性食道炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
治療
逆流性食道炎の治療は大きく3本柱です。
1) 胃酸を抑える薬(制酸治療)
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胃酸の影響を減らして炎症を改善します
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一般的にPPIやP-CAB(ボノプラザン等)が用いられ、ガイドラインでも重症度に応じた治療が推奨されています。
今回の患者さんでは、前医で制酸薬が出ていたものの、症状の改善が乏しかったため、逆流性食道炎に適した薬へ切り替えを行いました。
※制酸薬は「同じに見えて効果や相性が異なる」ため、内視鏡で状態を確認し、薬を最適化することが重要です。
2) 胃の動きを整える治療(胃排出・運動サポート)
胃の動きが落ちていると逆流が起きやすくなるため、症状と体質に合わせて
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消化管運動改善薬
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漢方(胃の動き・もたれを整える目的)を併用することがあります
3) 生活習慣の調整(再発予防の要)
今回の患者さんは、逆流を悪化させやすい要素として
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毎日の飲酒
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辛いもの・刺激物が多い食習慣 がありました。
一般にアルコールは逆流を悪化させうる要素として扱われ、生活指導の一部として検討されます。
そこで当院では、無理のない範囲で次を提案しました。
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休肝日を作る/寝酒を避ける
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刺激物・香辛料の強い食事を“連続”させない
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就寝2〜3時間前の飲食を控える、食後すぐ横にならない など
経過
投薬開始後、2日ほどで痰がらみの程度が低下してきて、2週間ほどで症状は消失し、一旦薬は終了としました。
その後も改善した生活習慣を続けることで現在も再燃なく経過されています。
院長からのコメント
喉の症状が続くと、「耳鼻科で異常なし」と言われても不安が残りますよね。
逆流性食道炎は胸やけだけではなく、今回のように食後の痰がらみとして現れることがあります。
大切なのは、症状を“のど”だけで決めつけず、胃カメラで原因を確認して治療を最適化すること、そして再発しやすい病気だからこそ予防までセットで取り組むことです。
お困りの方はお力になれますので早めにご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 食後に痰がからむのは、必ず逆流性食道炎ですか?
A1. 必ずではありません。後鼻漏(鼻炎・副鼻腔炎)、喘息、感染後の咳、生活習慣など原因は幅広いです。ただし逆流性食道炎でも喉の違和感や咳払いが起こることがあり【1】【3】、続く場合は胃カメラ検査で確認するのがおすすめです。
Q2. 耳鼻科で「異常なし」なら、胃や食道は調べなくて大丈夫?
A2. 症状によっては胃カメラによる胃や食道の評価が役立ちます。食道外症状は原因が多様で、必要に応じて逆流の検査や内視鏡評価を行う考え方が推奨されています【3】。
Q3. 胸やけがなくても逆流性食道炎はありますか?
A3. はい。胸やけが目立たず、喉の違和感・咳払い・痰がらみなどで気づくことがあります【1】【3】。
Q4. 胃カメラで何が分かりますか?
A4. 食道胃接合部の炎症(びらん)や、他の病気(潰瘍・腫瘍など)の有無を確認できます。逆流性食道炎の治療方針を決める上で重要です【1】【2】。
Q5. 逆流性食道炎の薬は、どれも同じですか?
A5. 胃酸を抑える薬にも種類があり、効き方や使い方が異なります。ガイドラインでも重症度に応じてPPIやP-CABを選択する考え方が示されています【1】【2】。
Q6. 薬を飲めばすぐ治りますか?
A6. 症状のタイプや炎症の程度によりますが、適切な治療で早期に改善することもあります。改善が乏しい場合は、薬の調整や診断の見直しが必要です【1】【3】。
Q7. お酒や辛いものは、どのくらい控えるべき?
A7. 個人差がありますが、まずは「寝酒をしない」「休肝日を作る」「刺激物を連続させない」など“続けやすい減らし方”が現実的です。生活指導は治療の一部として扱われます【1】。
Q8. 治ったら薬はやめてもいいですか?
A8. 状態によっては減量・中止が可能です。ただし再燃しやすいため、自己判断ではなく、症状や内視鏡所見に合わせて調整します【1】【2】。
Q9. 痰がからむ症状が続くとき、受診の目安は?
A9. 2週間以上続く、薬で改善しない、食後に悪化がはっきりしている場合は一度ご相談ください。必要に応じて内視鏡などで原因を確認します【3】。
Q10. 逆流性食道炎以外の怖い病気の可能性は?
A10. 頻度は高くありませんが、嚥下障害(飲み込みにくい)、体重減少、吐血・黒色便などがある場合は食道がんなどの可能性も否定はできないため早めの評価が必要です。内視鏡で他疾患の除外も行えます【1】。
まとめ
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食後の痰がらみ・咳払いは、耳鼻科で異常がなくても逆流性食道炎が原因のことがある【1】【3】
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逆流性食道炎は胸やけだけでなく、喉の違和感など食道外症状で気づくケースも【1】【3】
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胃カメラで炎症の有無と重症度を確認し、薬を最適化することが大切【1】【2】
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治療は「胃酸を抑える+胃の動きの調整+生活習慣の見直し」が基本【1】【2】
- 再発しやすいので、治ったあとも再燃予防のコツを続けるのがポイント
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関連ページ
参考文献
【1】Katz PO, et al. ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. Am J Gastroenterol. 2022.
【2】Iwakiri K, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for gastroesophageal reflux disease 2021 (revised) / 2022 update. 2022.
【3】Chen JW, et al. AGA Clinical Practice Update on the Diagnosis and Management of Extraesophageal GERD. Clin Gastroenterol Hepatol. 2023
【4】Gyawali CP, et al. Lyon Consensus 2.0(GERD診断の枠組みアップデート). Gut. 2024
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
