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実際の治療例【長引く咳の原因、実は食道?|逆流性食道炎による咳の実際と治療】

[2026.05.29]

「風邪でもないのに咳が続いている」

「呼吸器内科で検査を受けたけれど異常がないと言われた」

「咳止めを飲んでも、なかなか咳がよくならない」

このような長引く咳の原因として、肺や気管支だけでなく、食道や胃酸の逆流が関係していることがあります。

逆流性食道炎というと「胸やけ」「酸っぱいものが上がる」といった症状をイメージされる方が多いと思います。しかし実際には、胸やけが目立たず、咳・のどの違和感・痰がらみ・声のかすれなどをきっかけに見つかることもあります【1】。

今回は、3か月続く咳でお悩みだった40代男性が、胃カメラで逆流性食道炎と診断され、治療により咳が改善した実際の治療例を専門医の院長が分かりやすくご紹介します。

長引く咳でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 長引く咳の原因は、肺や気管支だけでなく、逆流性食道炎が関係していることがあります。

✅ 胸やけがなくても、胃酸逆流により咳やのどの違和感が出る場合があります。

✅ 呼吸器検査で異常がない場合、胃カメラで食道・胃の状態を確認することが診断の助けになります。

✅ 逆流性食道炎による咳は、胃酸を抑える治療や生活習慣の見直しで改善することがあります。

✅ 長引く咳を「体質」「風邪の残り」と決めつけず、原因を整理して調べることが大切です。

 

長引く咳・のどの違和感でお悩みの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、胃カメラによる食道・胃の確認や、逆流性食道炎に対する治療を行っています。

呼吸器内科で異常がないと言われたものの咳が続く方、食後や横になったときに咳が出やすい方、胸やけ・げっぷ・のどの違和感を伴う方は、一度ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

長引く咳を起こす主な原因

咳が長引く場合、原因は1つとは限りません。呼吸器の病気だけでなく、鼻・のど・アレルギー・薬剤・胃酸逆流など、さまざまな原因を考える必要があります。

原因 特徴 確認したいポイント
咳喘息・気管支喘息 夜間・早朝に咳が出やすい、ゼーゼーすることがある 呼吸機能検査、吸入薬への反応
感染後咳嗽 風邪や気管支炎のあとに咳だけが残る 発症時期、発熱の有無、経過
副鼻腔炎・後鼻漏 鼻水がのどに落ちる、痰がらみ、鼻づまり 鼻症状、耳鼻科的評価
アレルギー 季節性、ほこり・花粉・ペットなどで悪化 生活環境、アレルギー歴
逆流性食道炎・咽喉頭逆流症 食後・横になった時・夜間に咳が出る、のどの違和感を伴うことがある 胸やけ、げっぷ、胃もたれ、胃カメラ所見
薬剤性咳嗽 一部の血圧の薬などで咳が出ることがある 内服薬の確認
肺炎・肺がんなどの肺疾患 発熱、血痰、息切れ、体重減少を伴うことがある 胸部レントゲン、CT、呼吸器内科での評価

咳が続く場合は、まず呼吸器疾患の確認が重要です。そのうえで、胸部レントゲンや呼吸機能検査で明らかな異常がなく、食後や夜間に咳が出やすい場合には、逆流性食道炎や咽喉頭逆流症も原因として考えます。

関連ページ:逆流性食道炎・胸やけについて

逆流性食道炎による咳とは?

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道へ逆流することで、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。

典型的には胸やけや呑酸が知られていますが、胃酸逆流は食道だけでなく、のどや気道の刺激にも関係することがあります。そのため、咳・のどの違和感・声のかすれ・痰がらみなどの症状で見つかることがあります【1】。

逆流性食道炎で咳が出るイメージ

  1. 胃酸や胃の内容物が食道へ逆流する
  2. 食道の粘膜が刺激される
  3. のど・気道の神経が過敏になる
  4. 咳・のどの違和感・痰がらみが出やすくなる

ただし、咳の原因を最初から逆流性食道炎だけと決めつけるのは適切ではありません。慢性咳嗽では、呼吸器疾患・鼻の病気・アレルギー・薬剤などの原因を確認したうえで、逆流との関連を考えることが大切です【2】。

 

症例紹介|40代男性「咳が続く」

【症状】

3か月前から咳が続いており、まず呼吸器科を受診されました。胸部レントゲンや呼吸機能検査では大きな異常はなく、咳止めで経過を見ていましたが、症状はなかなか改善しませんでした。

その後、別の呼吸器内科で相談した際に、

「逆流性食道炎でも咳が出ることがあるので、消化器内科を受診してみては」

と説明を受け、当院へ紹介受診となりました。

 

【診察】

咳は1日のうちに不定期に出続けるとのことでしたが、食後は必ず出るとのことで、逆流性食道炎の可能性は考えられ、胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。

 

【胃カメラ】

胃カメラ検査を行ったところ、下部食道に炎症を認め逆流性食道炎と診断しました。

■実際の胃カメラの画像■

胃と食道のつなぎ目に縦に伸びる炎症を認め逆流性食道炎と診断しました

胸やけがはっきりしない方でも、胃カメラで食道の炎症が確認されることがあります。長引く咳に加えて、食後の咳・げっぷ・胃もたれ・のどの違和感がある場合は、食道や胃の状態を確認することが診断の助けになります。

関連ページ:池袋で胃カメラをご希望の方へ

 

【治療】

胃カメラで逆流性食道炎を認めたため、胃酸の逆流を抑える薬、食道や胃の粘膜を保護する薬、胃の動きを整えて逆流を防ぐ目的の漢方薬を組み合わせて治療を開始しました。

治療開始から2週間ほどで咳は軽くなり、1か月後にはほぼ消失しました。

もちろん、すべての長引く咳が逆流性食道炎で説明できるわけではありません。また、逆流に関連する咳は、薬だけでなく食事・飲酒・睡眠・体重・姿勢などの生活習慣も影響します【2】。

そのため、症状の経過を見ながら薬の調整や生活習慣の見直しを行うことが大切です。

長引く咳で受診した方がよい目安

咳は風邪のあとに一時的に残ることもありますが、長引く場合は原因を確認することが大切です。

特に次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 咳が3週間以上続いている
  • 咳止めを飲んでも改善しない
  • 胸部レントゲンで異常なしと言われたが症状が続く
  • 食後や横になったときに咳が出やすい
  • 胸やけ・げっぷ・胃もたれを伴う
  • のどの違和感・痰がらみ・声のかすれがある
  • 夜間や明け方に咳で目が覚める
  • 体重減少、血痰、息切れ、発熱、胸痛を伴う
  • 食べ物がつかえる、飲み込みにくい症状がある

血痰・強い息切れ・胸痛・高熱・急な体重減少がある場合は、まず呼吸器内科や救急を含めた早めの評価が必要です。

一方で、呼吸器の検査で大きな異常がなく、食後や夜間の咳、胸やけ、のどの違和感がある場合は、消化器内科で逆流性食道炎の有無を確認することも選択肢になります。

 

医師コメント

逆流性食道炎は「胸やけ」の病気と思われがちですが、実際には胸やけ以外の症状で見つかることも少なくありません。

特に、咳や喉の違和感、痰がらみなど上気道症状として現れるタイプ(咽喉頭逆流症:LPRD)もあります【1】。

逆流性食道炎でみられる症状一覧

胸やけ以外にも、以下のような多彩な症状がみられます。

症状の部位 主な症状
胸・みぞおち 胸やけ、胸の痛み、胃の不快感
のど・口 のどの違和感、声のかすれ、咳、痰がらみ
呼吸器系 慢性咳嗽(長引く咳)、夜間の咳、喘息様症状
消化器系 吐き気、げっぷ、食後の胃もたれ
睡眠時 寝ているときの咳、逆流感による目覚め

胸やけがないからといって逆流性食道炎を除外することはできません。

長引く咳が続く場合、胃カメラ検査で食道や胃の状態を確認することが大切です。

「咳が続いているけれど、どこに相談したらよいかわからない」という方は、まずこれまで受けた検査や症状の経過を整理したうえでご相談ください。

必要に応じて、胃カメラで食道や胃の状態を確認し、原因に合わせた治療をご提案します。

池袋で長引く咳・逆流性食道炎が気になる方へ

当院は池袋駅から徒歩約5分の胃腸内科・消化器内科です。胃カメラは鎮静剤を使用した検査にも対応しており、苦痛なく検査をお受け頂けるように心がけています。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問

Q. 胸やけがなくても逆流性食道炎で咳が出ることはありますか?

A. あります。逆流性食道炎は胸やけが代表的な症状ですが、咳・のどの違和感・痰がらみ・声のかすれなどで見つかることもあります。特に食後や横になったときに咳が出やすい場合は、胃酸逆流が関係している可能性があります。

 

Q. 長引く咳は何日くらい続いたら受診した方がいいですか?

A. 咳が3週間以上続く場合や、咳止めで改善しない場合は一度受診をおすすめします。8週間以上続く咳は慢性咳嗽と呼ばれ、原因を整理して調べる必要があります。

 

Q. 呼吸器内科で異常なしと言われても、胃カメラを受けた方がいいですか?

A. すべての方に必要というわけではありません。ただし、胸部レントゲンや呼吸機能検査で大きな異常がなく、食後の咳・胸やけ・げっぷ・のどの違和感がある場合は、胃カメラで食道や胃の状態を確認することが診断の助けになります。

 

Q. 逆流性食道炎による咳はどんな特徴がありますか?

A. 食後、横になったとき、夜間、明け方に咳が出やすいことがあります。また、のどの違和感、痰がらみ、声のかすれ、げっぷ、胃もたれなどを伴うこともあります。ただし、症状だけで断定はできないため、診察や検査で確認することが大切です。

 

Q. 胃カメラで咳の原因は必ずわかりますか?

A. 胃カメラで食道炎や胃酸逆流の影響が確認できることはありますが、咳の原因が必ずわかるわけではありません。咳喘息、副鼻腔炎、アレルギー、感染後咳嗽など他の原因も含めて総合的に判断します。

 

Q. 逆流性食道炎の咳は薬で治りますか?

A. 胃酸の逆流が咳に関係している場合、胃酸を抑える薬や胃の動きを整える薬で改善することがあります。ただし、薬だけで十分でない場合もあり、食事内容、飲酒、喫煙、寝る前の食事、体重、睡眠姿勢などの見直しも重要です。

 

Q. 咽喉頭逆流症とは何ですか?

A. 胃酸や胃の内容物の逆流が、のどや声帯周囲に影響し、のどの違和感、声のかすれ、咳、痰がらみなどを起こす状態です。胸やけが目立たないこともあるため、耳鼻科や呼吸器内科で異常がない場合に消化器内科で相談される方もいます。

 

Q. 逆流性食道炎による咳を予防するにはどうしたらいいですか?

A. 食べ過ぎを避ける、寝る直前の食事を控える、脂っこい食事やアルコールを控える、禁煙する、体重を適正に保つ、上半身を少し高くして寝るなどが役立つことがあります。症状が続く場合は自己判断せずご相談ください。

 

Q. 胃カメラは苦しいですか?

A. 当院では、患者さんの状態やご希望に応じて、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用した胃カメラに対応しています。以前の検査がつらかった方、嘔吐反射が不安な方もご相談ください。

 

Q. 長引く咳は消化器内科と呼吸器内科のどちらに相談すべきですか?

A. 息切れ、血痰、発熱、胸痛がある場合や、肺の病気が心配な場合は、まず呼吸器内科での評価が重要です。一方で、呼吸器の検査で大きな異常がなく、食後の咳、胸やけ、げっぷ、のどの違和感がある場合は、消化器内科で逆流性食道炎の有無を確認することも選択肢になります。

まとめ

長引く咳の原因は、肺や気管支だけとは限りません。呼吸器の検査で大きな異常がない場合でも、食後や夜間に咳が出やすい、胸やけやげっぷ、のどの違和感を伴う場合には、逆流性食道炎が関係していることがあります。

  • 長引く咳では、呼吸器疾患・鼻の病気・アレルギー・薬剤・逆流性食道炎などを考えます。
  • 逆流性食道炎は胸やけだけでなく、咳やのどの違和感で見つかることがあります。
  • 呼吸器検査で異常がなく、食後に咳が出やすい場合は、胃酸逆流も原因として考えます。
  • 胃カメラでは、食道の炎症や胃の状態を直接確認できます。
  • 逆流性食道炎による咳は、薬物治療や生活習慣の見直しで改善することがあります。
長引く咳が続く方へ

咳が長引くと、「肺の病気ではないか」「このまま治らないのでは」と不安になる方も多いと思います。

呼吸器の検査で異常がない場合でも、食道や胃酸逆流が関係していることがあります。

当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。食後や横になったときに咳が出る方、胸やけ・げっぷ・のどの違和感を伴う方は、お力になれますので是非ご相談ください。

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当院の胃カメラの特徴

  • ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない無痛内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

  • 池袋駅徒歩5分でアクセス良好

当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺での検査をご希望の方はぜひご相談ください。

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東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

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参考文献

  1. Katz PO, Dunbar KB, Schnoll-Sussman FH, Greer KB, Yadlapati R, Spechler SJ. ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. Am J Gastroenterol. 2022;117:27-56.
  2. Kahrilas PJ, Altman KW, Chang AB, et al. Chronic Cough Due to Gastroesophageal Reflux in Adults: CHEST Guideline and Expert Panel Report. Chest. 2016;150(6):1341-1360.
  3. 日本消化器病学会. 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021 改訂第3版. 南江堂.
  4. Vakil N, van Zanten SV, Kahrilas P, Dent J, Jones R. The Montreal definition and classification of gastroesophageal reflux disease. Am J Gastroenterol. 2006;101:1900-1920.

 

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