胃カメラで異常なしでも食事がつかえる…再検査で好酸球性食道炎が見つかった20代男性の治療例
この記事でわかること
- 胃カメラで異常なしでも食事がつかえる原因
- 好酸球性食道炎とはどのような病気か
- 好酸球性食道炎が見逃されることがある理由
- 実際の診察・検査・治療の流れ
- 早めに消化器内科を受診した方がよい症状
「食事のたびに、のど〜胸のあたりがつかえる」
「胃カメラは“異常なし”と言われたのに、全然よくならない」
この“違和感”は、噛み方や食べるスピードだけが原因ではないことがあります。
実際に当院でも、他院で胃カメラを受けて「問題なし」と説明された後、再検査で“好酸球性食道炎”が見つかった方がいらっしゃいます。
本記事ではのどや食道のつまりと関係する可能性のある疾患や、受診のタイミングについて、消化器専門医の東海林院長がわかりやすくお伝えします。
のどや食道のつまり・つかえでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
池袋で食事のつかえ・飲み込みにくさにお悩みの方へ
食事中のつかえ感が続く場合、食道の病気が隠れていることがあります。過去に胃カメラで異常なしと言われていても、症状が続く場合は再評価が大切です。
池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺で食道のつまりでお悩みの方はご相談ください。
食事中のつまりを起こす主な原因
食事中に「のどで詰まる」「胸のあたりで止まる」「飲み込みにくい」と感じる場合、原因は一つではありません。
よくある原因として、次のような病気や状態が考えられます。
- 好酸球性食道炎:アレルギーに関係する炎症で、食道が狭くなったり硬くなったりする
- 逆流性食道炎:胃酸の逆流により、食道に炎症や違和感が出る
- 食道狭窄:炎症や手術後、薬剤などにより食道が狭くなる
- アカラシアなどの食道運動障害:食道の動きや出口の開き方に問題がある
- 食道がん:飲み込みにくさ、体重減少、胸のつかえなどで見つかることがある
- 咽喉頭の病気:耳鼻科領域の病気で、のどの違和感として出ることがある
- 機能性の違和感:検査で明らかな異常がないものの、知覚過敏やストレスが関係することがある
大切なのは、「胃カメラで異常なし」と言われたからといって、すべての食道疾患が完全に否定できるわけではないという点です。症状が続く場合は、食道の観察や生検の必要性を含めて再評価することがあります。
関連ページ:胃カメラ検査について
好酸球性食道炎とは?
好酸球性食道炎とは、食道に好酸球というアレルギー反応に関係する白血球が集まり、慢性的な炎症を起こす病気です。
成人では、次のような症状で見つかることがあります。
- 食事中にのどや胸がつかえる
- 固形物が飲み込みにくい
- 肉やパン、ごはんなどが引っかかる感じがある
- 食べるのに時間がかかる
- 水で流し込まないと食べにくい
- 胸やけや胸の違和感を伴う
診断では、症状だけでなく、胃カメラで食道を観察し、必要に応じて食道粘膜の一部を採取する生検を行います。病理検査で、食道粘膜に好酸球が多く集まっていることを確認します。
好酸球性食道炎は、炎症が長く続くと食道が硬くなり、狭くなることがあります。そのため、症状が続く場合は早めに診断し、状態に応じた治療を行うことが大切です。
関連ページ:好酸球性食道炎について詳しくはこちら
実際の治療例|20代 男性 食事の度にのどや胸がつかえる
症状
- 1年程前から食事中にのどや食道に詰まるような感じが出現
- 近所の消化器内科クリニックで胃カメラ(胃内視鏡検査)を受けたが異常なしとの診断
- ゆっくりよく嚙んで食べるようにとの指示と漢方薬を出されましたが全く改善しないとのことで当院を受診
診察
症状からは以下のような疾患を原因として考えました。
-
好酸球性食道炎(見逃されることがある)【1】【2】
-
アカラシアなど食道運動障害(内視鏡だけでは判断が難しいことも)
-
逆流性食道炎/食道狭窄
-
食道がん(除外が重要)
-
咽喉頭疾患(のどの病気)、機能性(ストレス等) など
前医にて胃カメラは受けておられましたが、好酸球性食道炎やアカラシアなどは胃カメラで見落とされてしまうこともあり、ご本人と相談し胃カメラの再検査を行いました。
実際の内視鏡画像
胃カメラを行うと、食道全体にに円を描くような段差を認め(矢印部分)、好酸球性食道炎というアレルギーによる炎症を疑いました。

生検を行うと、実際にアレルギー細胞を多数認め好酸球性食道炎と診断しました。
💡当院では最短当日に胃カメラがお受け頂けますので、お気軽にお問い合わせください。
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▶ WEB予約/▶ 電話相談:03-5953-5903
- 関連ページ:胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による胃カメラの詳細がご確認いただけます
治療
好酸球性食道炎(EoE)は、症状がなく内視鏡でも炎症が軽い場合は、すぐに積極治療をせず経過観察とすることがあります。
一方で、今回のようにつかえ感などの自覚症状がある方、あるいは内視鏡で炎症が強い方では、炎症を抑えて再発や狭窄を防ぐ目的で治療を検討します。
治療①:薬による治療(薬物療法)
A)酸分泌を抑える薬(PPIなど)
もともと食道には好酸球はほとんど存在しませんが、胃酸の逆流による刺激が引き金となり、食道粘膜が過敏になって炎症が起こりやすくなる可能性が示唆されています。
そのため、胃酸の逆流を抑える治療が効果を示すケースが少なくありません。
実際、約半数の方でPPI(プロトンポンプ阻害薬)による改善が期待できるため、まず最初に試すことの多い治療選択肢です。
B)ステロイド(炎症・アレルギー反応を抑える)
アレルギー性炎症を鎮める治療として、ステロイドも有効です。
喘息で使うような吸入ステロイドを“飲み込む形”で使用する方法が選択されることがあり、効果が不十分な場合や狭窄(食道の細さ)が疑われる場合には、状況に応じて内服ステロイドを検討します。
C)その他の薬(副作用とのバランスで選択)
ステロイドは効果が高い一方で副作用の問題もあるため、病状や体質によっては、免疫調整薬や抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン拮抗薬など、別の選択肢を組み合わせて治療することもあります(効果はステロイドより穏やかでも、負担が少ない場合があります)。
治療②:食事療法(原因食物の除去)
好酸球性食道炎では、原因となる食物(アレルゲン)を同定し、該当食品を控えることで症状が改善することがあります。
ただし、血液検査や皮膚テストを行っても原因アレルゲンの特定は簡単ではないとされており【3】、より詳細な評価が必要な場合はアレルギー専門診療科での精査が望ましいと考えます(当院での対応が難しいケースでは専門施設へご紹介しています)。
今回の治療内容
今回の患者さんは、つかえ感は自覚されているものの、内視鏡所見は軽度でした。
そこで、まずは制酸薬に加え、抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン拮抗薬を併用する方針としました。
経過
治療開始後、数日で症状は少しずつ和らぎ、約2週間でほぼ症状が出なくなったとのことでした。
ただし好酸球性食道炎は、薬で落ち着いても中断すると再燃しやすい病気です。
治療をやめた場合、1年以内に半数以上で再発することが報告されているため、症状が安定しても継続治療+経過観察を基本とします。
また、炎症が長く続くと食道が硬くなり、狭窄(食道が細くなる状態)を来すことがあります。
そのため当院では、症状や所見に応じて、半年〜1年ごとの内視鏡で状態を確認しながら治療方針を調整しています。
受診の目安|食事のつかえを様子見しない方がよいケース
次のような場合は、自己判断で様子を見るのではなく、消化器内科で相談してください。
- 食事中のつかえ感が2〜4週間以上続いている
- 胃カメラで異常なしと言われたが症状が改善しない
- 固形物が飲み込みにくい
- 水で流し込まないと食べにくい
- 肉、パン、ごはんなどが引っかかる
- 食事が怖くなり、食べる量が減っている
- 胸の痛み、胸やけ、吐き気を伴う
- 症状が徐々に悪化している
上記の症状の場合は好酸球性食道炎以外にも、食道がんなどの重大な病気を除外する必要があります。
池袋で胃カメラ・食道の精査をご希望の方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、食事のつかえ、飲み込みにくさ、胸やけ、のどの違和感などの症状について、診察・胃カメラ・必要に応じた生検を行っています。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
当院の胃カメラの特徴
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お一人お一人に合わせた鎮静剤やスコープ調整
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次世代システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
院長からのコメント
食事中の「つかえ」は、軽い不調に見えても、食道の病気が隠れているサインのことがあります。
とくに好酸球性食道炎やアカラシアは、経験の少ない医療機関では見逃されることがあり、“異常なし”と言われても症状が続くなら再評価が大切です。
「ゆっくり食べても治らない」「1年以上続く」など、気になる方は一度ご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
よくある質問
Q. 胃カメラで「異常なし」なら、本当に問題ないのでしょうか?
A. 病気が“絶対にない”とは言い切れません。好酸球性食道炎は所見が軽いと見た目で分かりにくく、生検(組織検査)をしないと診断できないことがあります【1】【2】。
Q. 好酸球性食道炎は、どんな症状が多いですか?
A. 成人では「食事のつかえ」「飲み込みにくさ」が代表的です。固形物で起こりやすいのが特徴です【1】【2】。
Q. つかえがあるとき、まず疑うべき危険な病気は?
A. 食道がんなどの狭窄性病変は除外が重要です。体重減少、貧血、出血症状がある場合は早めに受診してください。
Q. 好酸球性食道炎はアレルギー体質と関係しますか?
A. 関係することがあります。喘息、アレルギー性鼻炎、アトピーなどが併存する方もいます【3】。
Q. 生検は必須ですか?
A. 疑う場合は重要です。ガイドラインでは複数箇所から計6個以上の生検が推奨されています【1】。
Q. 治療は薬だけで良くなりますか?
A. 多くの方で薬が有効です。PPIや嚥下型局所ステロイドなどが治療選択肢として推奨されています【1】。
Q. 食事療法は必ず必要ですか?
A. 全員に必須ではありません。症状や経過により、必要な方に段階的に検討します【3】。
Q. 「固形物だけ詰まる」と「水も詰まる」は違いますか?
A. ヒントになります。固形物中心なら好酸球性食道炎や狭窄、液体も詰まるならアカラシアなど運動障害も疑います。必要に応じて追加検査を行います。
Q. 放置するとどうなりますか?
A. 炎症が続くと食道が硬くなり、狭窄が進んでつかえが悪化することがあります。早めの診断・治療が大切です【1】。
Q. 受診の目安はありますか?
A. 2〜4週間以上続く、徐々に悪化する、食事が怖い、体重減少や出血症状がある場合は早めにご相談ください。過去に「異常なし」でも改善しないなら再評価が有用です【1】【2】。
まとめ
-
食事中の「のど・食道のつかえ」は、食道の病気のサインのことがあります
-
好酸球性食道炎は、軽い所見だと内視鏡で見逃されることがあり、生検が重要です【1】
-
「胃カメラで異常なし」でも、症状が続くなら専門施設での再検を検討しましょう
-
早期診断で、薬(PPI・嚥下型局所ステロイド)などの治療につながります【1】
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
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医師紹介・アクセス・診療時間
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
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- 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
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診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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| 13:30〜17:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
休診日:金曜日午後・祝日
診療は完全予約制です。
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献(本文【番号】と対応)
【1】Hirano I, Dellon ES, et al. ACG Clinical Guideline: Diagnosis and Management of Eosinophilic Esophagitis. Am J Gastroenterol. 2025.
【2】Dellon ES, Liacouras CA, et al. Updated International Consensus Diagnostic Criteria for Eosinophilic Esophagitis (AGREE Conference). Gastroenterology. 2018.
【3】日本小児アレルギー学会 ほか. 幼児・成人好酸球性消化管疾患 診療ガイドライン. 2020.
【4】Suzuki Y, et al. Endoscopic findings and management of eosinophilic esophagitis. Internal Medicine. 2022.
【5】Miyaguchi K, et al. Increase in reported EoE cases in Japan. 2025.
