【実際の治療例】発熱・下痢・腹痛が続く…原因は“食あたり”ではなく潰瘍性大腸炎だった
「発熱と下痢が続くけど、食あたりと言われたし…もう少し様子を見よう」
と思っている方は要注意です。
感染性腸炎と似た症状で始まる潰瘍性大腸炎は、初期ほど見逃されやすく、
「投薬しても治らない下痢・腹痛」をきっかけに発見される場合も少なくありません。
今回は、2週間続く発熱・下痠・腹痛で来院された30代男性の実例をご紹介します。
下痢・腹痛が長引いてお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|30代男性「下痢と腹痛が続く」
【症状】
2週間ほど前から、発熱、下痢、腹痛を自覚。
近医で受診し、食あたり(感染性腸炎)と診断され、整腸剤・抗菌薬・解熱剤が処方されました。
解熱剤で発熱は一旦下がりましたが、
-
下痢が止まらない
-
腹痛が続く
ということで当院を受診されました。
【診察】
症状・経過からは以下の疾患を考えました
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感染性腸炎
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潰瘍性大腸炎
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クローン病
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虚血性腸炎
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大腸憩室炎
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過敏性腸症候群(IBS)
特に「発熱が長く続く・抗菌薬で改善しない」という点から、感染性腸炎以外の疾患も念頭に置く必要があり、
状態を把握し、治療方針を立てるためまずは血液検査・腹部エコーを行いました。
【検査】
血液検査
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炎症反応(CRP)上昇
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白血球数の増加
腹部エコー
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大腸壁の肥厚(炎症像)
以上より、何らかの大腸炎が考えられました。
感染性腸炎でも見られますが、経過が長く他の大腸炎の可能性もあり炎症の原因をさらに詳しく調べるため、大腸カメラを実施
大腸カメラ
大腸全体に発赤・浮腫・びらん・潰瘍を認め、生検結果と合わせて潰瘍性大腸炎と診断。
<実際の内視鏡画像>
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潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、体内に侵入したウイルスや細菌などの外的を攻撃する免疫細胞(白血球など)が、大腸粘膜や腸内細菌を敵と誤認して攻撃してしまい、大腸の粘膜に慢性的に炎症を起こす自己免疫性の炎症性腸疾患です。
主な症状
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下痢(粘液を伴うことも)
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腹痛
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発熱
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血便
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倦怠感
感染性腸炎と似ている理由
初期は「下痢・腹痛・発熱」といった食あたりとほぼ同じ症状がでるため、特に若い方では見逃されやすいことが知られています【文献1】。
実は根本的な治療法が今のところはない難病の一つですが、炎症自体は薬で抑えることが可能で、適切な治療で長期的なコントロールが可能です。
【治療】
診断後、ガイドラインに基づき**5-ASA(アミノサリチル酸製剤)**で治療を開始しました。
5-ASAは炎症を抑える基本薬で、軽症〜中等症の第一選択薬です【文献2】。
治療開始後、下痢・腹痛も徐々に改善し、現在も経過観察中です。
院長からのコメント
潰瘍性大腸炎は、感染性腸炎と非常によく似た症状から始まります。
今回のように、
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発熱がある
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下痢・腹痛が長引く
-
抗菌薬を飲んでも治らない
というケースでは、自己判断で様子を見すぎず、早めに専門科での診察が必要です。
当院では即日エコー・血液検査・早期の大腸カメラ対応しております。気になる症状が続く方はご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. 食あたりと潰瘍性大腸炎はどう見分けますか?
A. 症状は似ていますが、1週間以上続く・改善しない場合は潰瘍性大腸炎を疑います【1】。
Q2. 血便がなくても潰瘍性大腸炎の可能性はありますか?
A. 可能性はあります。初期は下痢と腹痛のみの場合もあります。
Q3. 潰瘍性大腸炎は治りますか?
A. 現在の医学では完治は難しいですが、薬で炎症を抑え、寛解維持は十分可能です【2】。
Q4. 仕事をしながら治療できますか?
A. 多くの方が可能です。症状に合わせて治療内容を調整します。
Q5. 大腸カメラは必要ですか?
A. 潰瘍性大腸炎の診断には必須です。大腸炎の範囲や重症度が分かります。
Q6. 潰瘍性大腸炎と感染性腸炎との違いは?
A. 潰瘍性大腸炎は慢性的な炎症で、感染ではありません。
Q7. 潰瘍性大腸炎はうつりますか?
A. 人にはうつりません。
Q8. 若い人でも潰瘍性大腸炎になりますか?
A. はい。20〜40代の発症が最も多いです【1】。
Q9. 長期間治療が必要ですか?
A. 多くの人は寛解維持のための継続治療が必要です。
Q10. 再発を防ぐ方法は?
A. 薬の継続・ストレス管理・規則正しい生活が効果的です。
まとめ
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発熱・下痢・腹痛は食あたりだけではない
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初期の潰瘍性大腸炎は感染性腸炎と非常に似ている
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1週間以上続く/投薬で改善しない場合は要注意
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血液検査・エコー・大腸カメラで正確な診断が可能
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5-ASA治療で改善が期待できる
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺での検査をご希望の方はぜひご相談ください。
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
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東京都豊島区池袋2丁目66-10
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参考文献
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Nakase H, et al. Diagnosis and management of ulcerative colitis. J Gastroenterol.
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日本消化器病学会 潰瘍性大腸炎診療ガイドライン2022.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
