【実際の治療例】帰国後から下痢が止まらない…「旅行疲れ」ではなかった|腹部エコーで大腸炎を確認し治療した20代男性
海外旅行のあとに下痢が続くと、「疲れかな」「整腸剤で様子見でいいかな」と思いがちです。
でも実際は、旅行先での食事(屋台・生もの・飲み水など)をきっかけに、帰国後に発症する感染性腸炎が少なくありません。
今回は、帰国翌日から下痢が続き、腹部エコーと血液検査で“細菌性腸炎(大腸炎)”を疑い治療した20代男性の実例を、専門医の東海林院長がわかりやすく解説します。
旅行後から続く下痢でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
帰国後の下痢・腹痛・発熱でお困りの方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、下痢・腹痛・発熱・血便などの胃腸症状について診察を行っています。必要に応じて、血液検査や腹部エコーを組み合わせ、腸炎の状態や重症度を確認します。
帰国後に下痢を起こす主な原因
帰国後に下痢が続く場合、主な原因として以下が考えられます。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| 細菌性腸炎 | 屋台、生もの、加熱不十分な食品、水や氷などがきっかけ。腹痛、発熱、血便を伴うことがあります。 |
| ウイルス性胃腸炎 | 突然の下痢、吐き気、嘔吐を伴うことがあります。周囲に同じ症状の人がいる場合もあります。 |
| 原虫感染 | ジアルジアなど。帰国後しばらくしてから下痢が長引く場合に考えます。 |
| 過敏性腸症候群 | 旅行や仕事復帰のストレス、生活リズムの変化で下痢が続くことがあります。 |
| 薬剤性下痢 | 抗菌薬、胃薬、サプリメント、下剤などが関係することがあります。 |
| 炎症性腸疾患 | 潰瘍性大腸炎やクローン病など。旅行後にたまたま症状が目立つこともあります。 |
特に、海外旅行後の急な下痢では、まず感染性腸炎を考えます。旅行者下痢症では細菌が原因となることが多く、下痢原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、赤痢菌などが代表的です[1]。
▶関連ページ
旅行者下痢症・細菌性腸炎について
旅行者下痢症とは、海外渡航中または帰国後に起こる下痢の総称です。原因は細菌、ウイルス、原虫などさまざまですが、旅行者下痢症では細菌が関係することが多いとされています[1]。
「旅行中は大丈夫だったのに、帰国してから下痢になった」という場合でも、旅行先で食べたものや飲んだものが原因になることがあります。細菌やウイルスでは、感染してから症状が出るまでに6〜96時間程度かかることがあるためです[1]。
また、原虫が原因の場合は1〜2週間ほど遅れて症状が出ることがあり、下痢が長引く場合には便検査などを検討することがあります[1]。
実際の治療例|20代男性「海外旅行から帰国して翌日から下痢が続いている」
症状
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海外旅行から帰国した翌日から下痢が続いている
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近所のクリニックで「旅行の疲れによる胃腸炎」と言われ整腸剤を処方
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改善せず当院へ来院
診察
診察では、脱水や重症度(発熱、血便、強い腹痛、回数)を確認しつつ、次のような病気を考えました。
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感染性腸炎(細菌・ウイルス・原虫)
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旅行後は特に、細菌性(大腸菌など)を含め幅広く考えます
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- 過敏性腸症候群:旅行のストレスによる下痢
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薬剤性下痢/抗菌薬関連下痢(C. difficile など)
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病):旅行がきっかけに見えて実は別疾患のことも
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虚血性腸炎:腸の血管の血流低下による腸炎
正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査と腹部エコーを行いました。
検査
血液検査
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炎症反応の上昇を確認→ 細菌感染や腸管の炎症を疑う所見
腹部エコー(超音波)
大腸(黄色部分)に細菌感染と思われる強い炎症像(矢印部分:腸管壁の肥厚)を広範囲に認め、
細菌性の感染性大腸炎を強く疑いました。
💡当院では最短当日に血液検査や腹部エコー検査がお受け頂けますので、お気軽にお問い合わせください。
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▶ WEB予約/▶ 電話相談:03-5953-5903
- 関連ページ:エコー検査|実際の流れや検査で分かる病気の詳細がご確認いただけます
治療
今回の患者さんは、旅行中に屋台の食べ歩きをしていたとのことで、感染の原因と考えました。
エコー所見では細菌感染による感染性大腸炎を考え、抗生剤を含む投薬を行い、改善しました。
一般論として、旅行後の急性下痢はまず水分・電解質補給が基本で、重症度や所見(発熱、血便、強い腹痛、脱水、炎症反応など)に応じて便検査や抗菌薬を検討します【2】【3】。
※血便がある場合など、一部の大腸菌感染が疑われる状況では注意が必要で、下痢止めや抗菌薬は自己判断せず受診が安全です【5】。
受診の目安
帰国後の下痢で、次のような症状がある場合は、早めに消化器内科・胃腸内科を受診してください。
早めの受診をおすすめする症状
- 下痢が2〜3日以上続く
- 38℃以上の発熱がある
- 強い腹痛がある
- 血便がある
- 水分が取れない
- 尿が少ない、口が渇く、立ちくらみがある
- 整腸剤で改善しない
- 海外旅行後に症状が始まった
- 免疫力が落ちる病気や治療中である
- 高齢者、妊娠中、持病がある方の下痢
院長からのコメント
旅行後の下痢はよくある症状ですが、「疲れ」「食べすぎ」「胃腸が弱っているだけ」と自己判断しているうちに、症状が長引いてしまうことがあります。
今回のように、帰国翌日から下痢が続き、整腸剤で改善しない場合には、細菌性腸炎や大腸炎を考える必要があります。血液検査や腹部エコーを行うことで、腸に炎症が起きているか、重症度はどの程度かを判断しやすくなります。
特に、発熱、強い腹痛、血便、水分が取れない、下痢が3日以上続くといった場合は、早めの受診をおすすめします。
池袋上田胃腸クリニックでは、症状の経過を丁寧に伺い、必要に応じて検査を行い、患者さんの状態に合わせた治療を行います。
帰国後の下痢でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問
Q1. 帰国後の下痢は何日くらい様子を見てもよいですか?
A. 軽症で水分が取れていて、発熱や血便がなければ短期間で改善することもあります。ただし、2〜3日以上続く、悪化する、発熱・強い腹痛・血便がある場合は受診をおすすめします。
Q2. 旅行中は大丈夫だったのに、帰国後に下痢が始まることはありますか?
A. あります。細菌やウイルスによる下痢は、感染してから症状が出るまでに数時間〜数日かかることがあり、旅行の終盤に食べたものや飲んだものが原因で帰国後に発症することがあります。
Q3. 海外旅行後の下痢は細菌性腸炎が多いですか?
A. 旅行者下痢症では細菌が原因となることが多いとされています。下痢原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、赤痢菌などが代表的ですが、ウイルスや原虫が原因のこともあります。
Q4. 整腸剤で治らない下痢は受診した方がよいですか?
A. はい。整腸剤で改善しない場合、細菌性腸炎、大腸炎、原虫感染、炎症性腸疾患などを確認する必要があります。特に海外旅行後であれば、渡航歴を医師に伝えてください。
Q5. 下痢止めは使ってもよいですか?
A. 発熱や血便がない軽い水様便では役立つ場合もありますが、発熱・血便・強い腹痛がある場合は自己判断で使用しないでください。一部の感染症では、下痢止めにより悪化する可能性があります。
Q6. 抗生剤は必ず必要ですか?
A. 必ず必要ではありません。多くの下痢では補水が基本です。ただし、発熱、血便、強い腹痛、脱水、炎症反応の上昇、海外渡航歴などを踏まえ、細菌性腸炎が疑われる場合には抗菌薬を検討することがあります。
Q7. 腹部エコーで下痢の原因はわかりますか?
A. すべての原因がわかるわけではありませんが、腸管壁の肥厚や周囲の炎症など、大腸炎を疑う所見を確認できることがあります。また、虫垂炎など別の腹部疾患の確認にも役立ちます。
Q8. 便検査は必要ですか?
A. 発熱、血便、重症、長引く下痢、海外渡航後の下痢などでは、便培養や便の検査を検討することがあります。ただし、結果に時間がかかるため、症状や重症度に応じて治療を先に始めることもあります。
Q9. どんな症状があれば急いで受診すべきですか?
A. 血便、38℃以上の発熱、強い腹痛、水分が取れない、尿が少ない、意識がぼんやりする、下痢が3日以上続く場合は早めに受診してください。
Q10. 池袋上田胃腸クリニックでは帰国後の下痢を診てもらえますか?
A. はい。帰国後の下痢、腹痛、発熱、血便などの診察を行っています。必要に応じて血液検査や腹部エコーを行い、感染性腸炎や他の胃腸疾患を確認します。WEB予約またはお電話でご相談ください。
まとめ
-
旅行後の下痢は「疲れ」だけでなく感染性腸炎が原因のことがあります
- 屋台、生もの、加熱不十分な食品、氷、飲み水などが原因になることがあります。
-
細菌・ウイルスは数時間〜数日(6〜96時間)で発症することが多く、帰国後に出ることもある【1】
-
整腸剤で改善しない/発熱・腹痛/脱水があれば早めの受診が安全です。
-
腹部エコーや血液検査で、腸炎の早期診断や他疾患(虫垂炎など)の見落としを減らせます。
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。
帰国後から下痢が止まらない、腹痛や発熱を伴う、整腸剤で改善しない場合は、池袋上田胃腸クリニックまでご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
- CDC Yellow Book. Travelers’ Diarrhea. Centers for Disease Control and Prevention. 2026.
- Shane AL, et al. 2017 Infectious Diseases Society of America Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Infectious Diarrhea. Clinical Infectious Diseases. 2017.
- Riddle MS, DuPont HL, Connor BA. ACG Clinical Guideline: Diagnosis, Treatment, and Prevention of Acute Diarrheal Infections in Adults. American Journal of Gastroenterology. 2016.
- CDC. Treatment of E. coli Infection. Centers for Disease Control and Prevention. 2024.
