口臭の原因は胃?|ピロリ菌胃炎による口臭の実際と治療
この記事でわかること
- 口臭の主な原因
- 胃やピロリ菌が口臭と関係することがある理由
- 胃カメラで確認できること
- ピロリ菌胃炎だった実際の治療例
- 口臭で消化器内科を受診した方がよい目安
「家族に口が臭うと言われてショックだった」
「歯磨きや舌みがきをしているのに、なぜか口臭が気になる」
このようなお悩みで受診される方は少なくありません。
口臭の原因として最も多いのは、歯周病、舌苔、口腔乾燥などの口の中の問題です。副鼻腔炎や扁桃炎などの耳鼻科疾患、糖尿病などの全身疾患が関係することもあります。
一方で、歯科や耳鼻科で大きな異常がないにもかかわらず口臭が続く場合には、胃炎・逆流性食道炎・ピロリ菌感染など、消化器の病気が隠れていることがあります。
今回は、池袋上田胃腸クリニックに来院された「口臭の原因がピロリ菌胃炎だった40代女性」の実際の治療例をもとに、胃と口臭の関係、必要な検査、治療の流れをわかりやすく解説します。
口臭でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
池袋上田胃腸クリニックでは、口臭、胃もたれ、げっぷ、胃の不快感などの症状に対して、診察のうえで必要に応じて胃カメラやピロリ菌検査を行っています。
池袋周辺でお悩みの方はご相談ください。
口臭の原因は?
口臭は、原因を大きく分けると次の4つに整理できます。
| 原因の分類 | 代表的な病気・状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 口の中の原因 | 歯周病、虫歯、舌苔、口腔乾燥 | 口臭の原因として多い |
| 耳鼻科の原因 | 副鼻腔炎、扁桃炎、後鼻漏 | 鼻づまり、痰、のどの違和感を伴うことがある |
| 全身の病気 | 糖尿病、肝疾患、腎疾患など | 血液検査で確認が必要になることがある |
| 胃・食道の原因 | ピロリ菌胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎など | 胃もたれ、げっぷ、胸やけ、胃痛を伴うことがある |
大切なのは、口臭=すぐ胃が悪いと決めつけないことです。
まずは歯科的な原因や耳鼻科的な原因を確認し、それでも原因がはっきりしない場合や、胃もたれ・げっぷ・胃痛などを伴う場合には、胃の状態を確認することが重要です。
ピロリ菌胃炎と口臭の関係
ピロリ菌は、胃の粘膜に感染する細菌です。感染が長く続くと、胃の粘膜に慢性的な炎症が起こり、慢性胃炎や萎縮性胃炎につながることがあります。
ピロリ菌感染は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなどと関係することが知られており、胃の状態を確認したうえで除菌治療を行います。[1][4]
どうしてピロリ菌で口臭が起こるの?
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が炎症を起こし、胃酸分泌や消化機能が乱れます。
その過程で発生するアンモニアや硫化水素などの揮発性ガスが、食道を通って口まで上がり、胃由来の口臭を生じることがあります【3】。
また、ピロリ菌感染があると、胃の環境がアルカリ性に傾くことで口腔内の細菌バランスにも悪影響を及ぼすと報告されています。
そのため、口臭が続く場合は口腔ケアだけでなく、胃の状態をチェックすることが大切です。
実際の治療例|40代女性「口臭が気になる」
【症状】
特に自覚症状はなかったものの、
家族から「口臭が気になる。胃が悪いんじゃない?」と指摘され、心配になって当院を受診されました。
【診察】
口臭の原因としては、前述のように以下のようなものが考えられます。
主な鑑別疾患
-
口腔内疾患(歯周病・舌苔など)
-
副鼻腔炎・扁桃炎などの耳鼻科疾患
-
糖尿病などの代謝性疾患
-
胃炎・胃潰瘍・ピロリ菌感染などの消化器疾患
かかりつけの歯科では歯周病などはないとすでに診断されており、問診と診察から耳鼻科的原因は否定的であったため、
代謝性疾患の確認のため血液検査・胃の状態を確認するため胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を実施しました。
【検査】
血液検査では糖尿病などの代謝性疾患を疑う所見はありませんでしたが、
胃カメラでは胃粘膜に斑な色調変化や粘膜の粗造を認め、ピロリ菌反応も陽性であり、
ピロリ菌感染による慢性萎縮性胃炎と診断しました。
■実際の胃カメラの画像■
胃の粘膜が白色交じりの斑な色合いとなっています。ピロリ菌による慢性萎縮性胃炎の所見です
【治療】
内服によるピロリ菌の除菌治療を行い、約1か月後の呼気検査で除菌成功を確認。
その後、口臭は徐々に改善しました。
【経過と今後】
除菌によって口臭が改善した一方、ピロリ菌除菌後も胃がんの発生リスクはゼロにはなりません【1】。
そのため、今後も年1回の胃カメラによる経過観察を続ける方針としました。
受診の目安
口臭が気になる場合、まずは歯科で口腔内の状態を確認することが大切です。
ただし、次のような場合には、消化器内科で胃の状態を確認することも検討してください。
- 歯科で異常がないと言われたのに口臭が続く
- 胃もたれやげっぷを伴う
- 胸やけ、酸っぱいものが上がる感じがある
- 胃痛やみぞおちの不快感が続く
- 食後に口臭が強くなる気がする
- ピロリ菌検査を受けたことがない
- 胃カメラを数年以上受けていない
- 胃がんやピロリ菌感染の家族歴がある
池袋で口臭・ピロリ菌が気になる方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、胃カメラ、ピロリ菌検査、除菌治療、除菌後の定期フォローまで対応しています。
口臭だけでなく、胃もたれ、げっぷ、胸やけ、胃痛などを伴う方はご相談ください。
WEB予約はこちら 03-5953-5903東海林院長からのコメント
口臭はとてもデリケートなお悩みで、周囲から指摘されると大きな不安やストレスにつながります。
ただし、口臭の原因は一つではありません。歯科的な問題、耳鼻科的な問題、全身疾患、胃や食道の病気など、順番に確認していくことが大切です。
今回のように、歯科で大きな異常がなく、胃もたれやげっぷを伴う場合には、ピロリ菌胃炎や逆流性食道炎が関係していることがあります。
また、ピロリ菌は口臭だけでなく、胃炎、胃潰瘍、胃がんリスクとも関係するため、胃カメラで胃の状態を確認し、必要に応じて除菌治療と定期フォローを行うことが大切です。
「口臭が気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」という方も、胃の症状を伴う場合はお気軽にご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. 口臭の原因が胃ということはありますか?
A. あります。ただし、口臭の原因として多いのは歯周病、舌苔、口腔乾燥などの口の中の問題です。歯科や耳鼻科で大きな異常がなく、胃もたれ・げっぷ・胸やけなどを伴う場合には、胃炎、逆流性食道炎、ピロリ菌感染などを確認します。
Q2. ピロリ菌で口臭が出ることはありますか?
A. ピロリ菌感染と口臭の関連を示す報告はありますが、医学的には意見が分かれています。胃が原因と決めつけず、口腔内・耳鼻科・全身疾患を確認したうえで、必要に応じて胃カメラやピロリ菌検査を行うことが大切です。
Q3. 歯科で異常がない口臭は胃カメラを受けた方がよいですか?
A. 胃もたれ、げっぷ、胸やけ、胃痛、食欲低下などを伴う場合や、胃カメラを長く受けていない場合は、胃カメラを検討してよい症状です。胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、ピロリ菌感染などを確認できます。
Q4. ピロリ菌を除菌すると口臭は治りますか?
A. ピロリ菌胃炎が口臭に関係している場合、除菌治療後に口臭が改善することがあります。ただし、歯周病、舌苔、口腔乾燥、副鼻腔炎など他の原因が残っている場合は、それぞれの治療も必要です。
Q5. ピロリ菌検査だけ受ければ十分ですか?
A. 胃の状態を確認するには、ピロリ菌検査だけでは不十分なことがあります。胃カメラでは胃炎の程度、萎縮性胃炎、胃潰瘍、胃がんを疑う病変の有無などを直接確認できます。症状や年齢、これまでの検査歴に応じて判断します。
Q6. ピロリ菌の除菌治療はどのくらいかかりますか?
A. 一般的には、胃酸を抑える薬と抗菌薬を組み合わせて1週間内服します。その後、一定期間をあけて尿素呼気試験などで除菌できたかを確認します。
Q7. 除菌に失敗することはありますか?
A. あります。一次除菌で成功しない場合は、薬の組み合わせを変えて二次除菌を行うことがあります。自己判断で薬を中断すると除菌失敗につながることがあるため、指示通り内服することが大切です。
Q8. ピロリ菌を除菌したら胃がんの心配はなくなりますか?
A. 除菌により胃がんリスクの低下が期待できますが、リスクがゼロになるわけではありません。特に萎縮性胃炎がある方は、除菌後も定期的な胃カメラで胃の状態を確認することが大切です。
Q9. 口臭と一緒に胃もたれやげっぷがあります。何科を受診すればよいですか?
A. まず歯科で口腔内の原因を確認することが大切ですが、胃もたれ、げっぷ、胸やけ、胃痛などを伴う場合は消化器内科でも相談できます。胃カメラやピロリ菌検査が必要か診察で判断します。
Q10. 池袋上田胃腸クリニックではピロリ菌の除菌後フォローもできますか?
A. はい。ピロリ菌検査、除菌治療、除菌判定、除菌後の胃カメラによる経過観察まで対応しています。除菌後も胃がんリスクが完全になくなるわけではないため、胃の状態に応じた定期フォローが大切です。
まとめ
- 口臭の原因として多いのは、歯周病、舌苔、口腔乾燥などの口の中の問題です。
- ただし、歯科で異常がなく、胃もたれやげっぷを伴う場合には、胃炎やピロリ菌感染が関係していることがあります。
- 胃カメラでは、胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍、胃がんを疑う病変、ピロリ菌感染を疑う所見を確認できます。
- ピロリ菌胃炎がある場合、除菌治療により症状が改善することがあります。
- 除菌後も胃がんリスクはゼロではないため、定期的な胃カメラによる経過観察が大切です。
「口臭が気になる」「歯科では異常がないと言われた」「胃もたれやげっぷもある」という方は、胃の状態を一度確認してみることをおすすめします。
当院の胃カメラの特徴
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お一人お一人に合わせた鎮静剤やスコープ調整
-
次世代システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。口臭でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
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東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
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診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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休診日:金曜日午後・祝日
診療は完全予約制です。
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
-
Uemura N et al. N Engl J Med. 2001;345(11):784–789.
-
Iwai T et al. Helicobacter. 2010;15(2):135–139.
-
Sugimoto M et al. World J Gastroenterol. 2015;21(16):4787–4796.
-
Yamaoka Y. Helicobacter. 2010;15(Suppl 1):9–14.
-
Suzuki S et al. Digestion. 2020;101(4):449–456.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
