お腹の張りとガスが続く原因|過敏性腸症候群ガス型を漢方と食事療法で改善した30代男性
「ずっとお腹が張る」「ガスが溜まりやすい」「人前でお腹の音が気になる」――
そんな症状が続いていませんか?
検査で異常が見つからないのに不快感が続く場合、**過敏性腸症候群(IBS)**が隠れていることがあります。
今回は、1年ほど続いたお腹の張りとガスの症状が、腹部エコー・大腸カメラで大きな異常がないことを確認したうえで、漢方と低FODMAP食により改善した30代男性の実際の治療例をもとに、専門医の院長が原因・治療・受診の目安などを分かりやすく解説します。
お腹の張りやガスのたまりでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
池袋上田胃腸クリニックでは、胃腸症状の診察・腹部エコー・大腸カメラに対応しています。
お腹の張り、ガス、腹痛、便通異常が続く方は、池袋周辺で我慢せずにご相談ください。
お腹の張り・ガスが続く主な原因
お腹の張りやガスは、単に「体質」だけで起こるわけではありません。
腸の動き、腸内細菌、食事内容、自律神経、便通、腸の炎症など、複数の要素が関係して起こります。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| 過敏性腸症候群(IBS) | 検査で大きな異常がないにもかかわらず、腹痛・腹部膨満感・便通異常・ガスなどが続きます。 |
| 食事内容・消化不良 | 小麦、乳製品、玉ねぎ、にんにく、豆類、人工甘味料などでガスが増えることがあります。 |
| 便秘 | 便が腸内に長くとどまることで、張りやガスが強くなることがあります。 |
| SIBO | 小腸内で細菌が増え、食後の張り・ガス・腹鳴・下痢などが出ることがあります。 |
| 炎症性腸疾患 | 潰瘍性大腸炎やクローン病では、腹痛・下痢・血便・体重減少などを伴うことがあります。 |
| 大腸ポリープ・大腸がん | 初期は無症状のこともありますが、便通異常、血便、腹部膨満感などをきっかけに見つかることがあります。 |
症状だけで原因を断定することは難しいため、症状が長引く場合には、問診・診察・腹部エコー・血液検査・大腸カメラなどを組み合わせて確認することが大切です。
▶関連ページ:池袋上田胃腸クリニックの大腸カメラ検査
過敏性腸症候群(IBS)とガス症状
過敏性腸症候群(IBS)は、腸に炎症・潰瘍・がんなどの明らかな形の異常がないにもかかわらず、腹痛、腹部不快感、便通異常、腹部膨満感などを繰り返す病気です【1】【2】。
IBSでは、腸の動きが過敏になったり、腸内の刺激を感じやすくなったりすることで、張りやガス、腹鳴、お腹の違和感が強く出ることがあります。
特に、ガスが溜まりやすいタイプでは、以下のような悩みにつながります。
- 常にお腹が張っている
- 人前でガスが出そうで不安になる
- お腹がゴロゴロ鳴る
- 食後に張りが強くなる
- 検査では異常なしと言われたが症状が続く
ただし、お腹の張りやガスがあるからといって、すべてがIBSとは限りません。
血便、発熱、体重減少、貧血、夜間に目が覚める腹痛、症状の急な悪化などがある場合は、IBS以外の病気を確認する必要があります。
▶関連ページ:過敏性腸症候群のより詳細な解説はこちら
実際の治療例|30代男性「お腹の張りとガスが多くて困っている」
【症状】
「1年ほど前からお腹が張る感じと、ガスが頻繁に出るようになって困っている」とのことで来院されました。
便通はおおむね正常で、下痢や便秘はありませんが、「人と話しているときにガスが出そうになる」「常に張った感じがある」との訴えでした。
【診察】
診察では以下のような病気を念頭に置きました。
-
消化不良
-
小腸病変(SIBO/CIPO)
-
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
-
大腸ポリープ・腫瘍性病変
-
腸内ガス増加を伴う過敏性腸症候群(IBS)
診断をつけ治療方針を立てるため、エコーと大腸内視鏡を行いました。
【検査】
-
腹部エコー検査:小腸に異常なし
-
大腸内視鏡検査:炎症やポリープ、腫瘍なし
これらの結果より器質的疾患は否定され、過敏性腸症候群(IBS)ガス型と診断しました。
■実際の大腸カメラの画像■
大腸粘膜はがんや炎症など認めず正常の状態でした。
【治療】
今回の患者さんには、
-
低フォドマップ食の指導(ガスの発生を抑える食事法)
-
腸の働きを整え張りやガスを改善する漢方薬
の併用で治療を行いました。
2〜3週間ほどでお腹の張りが軽くなり、1か月後には「ガスの回数も減った」と改善が見られました。
低フォドマップ食は一時的な制限の後、再導入を行いながら自分に合う食品を見つけていくことが大切です【3】。
▶関連ページ:過敏性腸症候群に有効な食事療法「低フォドマップ食」とは?
低FODMAP食とは?ガスが多い方で見直したい食事
FODMAPとは、腸内で発酵しやすい糖質の総称です。
これらの糖質は、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵してガスを発生させやすいため、IBSの方ではお腹の張りやガスの原因になることがあります。
| 分類 | 控えめにすることがある食品 | 比較的取り入れやすい食品 |
|---|---|---|
| 穀類 | 小麦パン、ラーメン、パスタ | 米、そば、オートミール |
| 野菜 | 玉ねぎ、にんにく、カリフラワー | にんじん、なす、トマト、きゅうり |
| 果物 | りんご、梨、スイカ、マンゴー | バナナ、みかん、いちご、ぶどう |
| 乳製品 | 牛乳、ヨーグルト、ソフトチーズ | ラクトースフリー牛乳、硬めのチーズ |
| 甘味料 | ソルビトール、マンニトールなど | 通常の砂糖を少量 |
ただし、食事制限を自己判断で長く続けると、栄養バランスが崩れることがあります。
低FODMAP食は、医師や管理栄養士の指導のもとで、無理なく行うことが大切です。
お腹の張り・ガスで受診した方がよい目安
お腹の張りやガスは、軽い消化不良や食事内容の影響で起こることもあります。
しかし、以下のような場合は、消化器内科での相談をおすすめします。
- お腹の張りやガスが数週間以上続き、仕事や外出に支障が出ている
- 腹痛を伴う
- 血便がある、下痢や便秘などの便通異常がある
- 体重が減っている
- 発熱がある
- 夜間に腹痛や下痢で目が覚める
- 大腸カメラを長く受けていない
特に、血便、体重減少、貧血、発熱、強い腹痛を伴う場合は、IBSだけで説明せず、大腸の炎症や腫瘍性病変を確認することが重要です。
池袋でお腹の張り・ガス・便通異常にお悩みの方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、症状に応じて腹部エコー、血液検査、大腸カメラなどを組み合わせ、原因を確認したうえで治療方針をご提案しています。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
院長からのコメント
お腹の張りやガスは「体質のせい」と思われがちですが、腸の働きやストレスバランスが関係している病気のこともあります。
検査で異常がない場合でも、過敏性腸症候群を念頭に置くことが重要です。
当院では、腸のタイプに合わせた治療(薬・食事・漢方)を組み合わせ、再発予防までサポートしています。
症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
よくある質問(FAQ)
Q. お腹の張りやガスが続く原因は何ですか?
A. 食事内容、消化不良、便秘、過敏性腸症候群、SIBO、炎症性腸疾患、大腸ポリープ・大腸がんなどが原因になることがあります。症状が長引く場合は、検査で確認することが大切です。
Q. 検査で異常なしでもお腹の張りが続くことはありますか?
A. あります。大腸カメラや腹部エコーで大きな異常がなくても、腸の動きや知覚過敏、自律神経の乱れ、食事内容の影響で症状が続くことがあります。
Q. 過敏性腸症候群でもガスが多くなりますか?
A. はい。過敏性腸症候群では腹痛や便通異常だけでなく、お腹の張り、ガス、腹鳴などが目立つことがあります。人前で症状が気になり、生活の質が下がる方もいます。
Q. ガス型IBSとは何ですか?
A. 医学的な正式分類ではありませんが、過敏性腸症候群の中でも、お腹の張りやガス、腹鳴などが目立つ状態を分かりやすく「ガス型」と呼ぶことがあります。
Q. 低FODMAP食とは何ですか?
A. 腸内で発酵しやすい糖質を一時的に減らし、お腹の張りやガスを改善することを目指す食事療法です。小麦、玉ねぎ、にんにく、乳製品、豆類、人工甘味料などが症状に関係することがあります。
Q. 低FODMAP食はずっと続ける必要がありますか?
A. いいえ。低FODMAP食は、症状を悪化させる食品を見つけるために一時的に行う食事療法です。一定期間の制限後、食品を少しずつ戻しながら、自分に合う食事を探していきます。
Q. お腹の張りやガスに漢方は有効ですか?
A. 体質や症状に合う場合、漢方薬で腸の動きや張り、ガスの症状が改善することがあります。ただし、症状の原因によって治療は異なるため、診察のうえで判断します。
Q. お腹の張りだけでも大腸カメラは必要ですか?
A. すべての方に必要なわけではありません。ただし、症状が長引く、血便がある、便通異常が続く、体重減少がある、年齢的に大腸がんが心配な場合には、大腸カメラで確認することがあります。
Q. 市販薬で様子を見てもよいですか?
A. 一時的な張りであれば、市販薬で改善することもあります。しかし、症状が数週間以上続く場合や、血便・体重減少・強い腹痛を伴う場合は、自己判断で続けずに消化器内科を受診してください。
Q. お腹の張りやガスは何科を受診すればよいですか?
A. 消化器内科・胃腸内科での相談をおすすめします。腸の病気、便通、食事、胃腸の動きなどを総合的に確認できます。
まとめ
-
検査で異常がなくても、ガスやお腹の張りが続く場合は過敏性腸症候群(IBS)を疑う
-
低フォドマップ食+漢方治療が有効
-
ストレス・腸内環境・自律神経を整えることが改善の鍵
- がんや炎症が隠れていることもあるので、大腸カメラなどの検査で病気を除外することも重要。
当院の大腸カメラの特徴
-
鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
-
高解像度スコープで小さな病変も発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺での検査をご希望の方はぜひご相談ください。
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
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東京都豊島区池袋2丁目66-10
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参考文献
- 日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2020―過敏性腸症候群(IBS).
- Fukudo S, Okumura T, Inamori M, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for irritable bowel syndrome 2020. J Gastroenterol. 2021;56:193-217.
- Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol. 2021;116:17-44.
- Gibson PR, Shepherd SJ. Evidence-based dietary management of functional gastrointestinal symptoms: The FODMAP approach. J Gastroenterol Hepatol. 2010;25:252-258.
- NICE. Irritable bowel syndrome in adults: diagnosis and management. Clinical guideline CG61.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
