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「過敏性腸症候群が治らない」その理由、実は“潰瘍性大腸炎”かもしれません

[2025.10.13]

「過敏性腸症候群(IBS)」と言われて薬を飲んでいるのに、下痢や腹痛がなかなか治らない

――そんな方はいませんか?

過敏性腸症候群は、ストレスや自律神経の乱れ、腸の知覚過敏などが関係して、腹痛や下痢・便秘を繰り返す病気です。

一方で、症状だけを見ると、潰瘍性大腸炎・クローン病・感染性腸炎・大腸ポリープ・大腸がんなど、検査が必要な病気と似ていることがあります。

特に、下痢や腹痛が長く続いている、薬を飲んでも改善しない、便に血や粘液が混じる、夜間も下痢で目が覚める、といった場合には「IBSだから大丈夫」と決めつけず、腸の中を確認することが大切です。

今回は、他院で過敏性腸症候群として治療を受けていたものの改善せず、当院で大腸カメラを行ったところ潰瘍性大腸炎と診断された20代男性の実際の治療例をもとに、IBSと潰瘍性大腸炎の違い、検査、治療、受診の目安について専門医の院長がわかりやすく解説します。

過敏性腸症候群が治らずにお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は、どちらも下痢や腹痛を起こすため症状だけでは区別が難しいことがあります。

✅ IBSは「大腸に炎症や腫瘍などの異常がない」ことを確認したうえで考える病気です【1】。

✅ 薬を飲んでも治らない下痢・腹痛、粘液便、血便、夜間の下痢、体重減少がある場合は、潰瘍性大腸炎などの病気を確認する必要があります【2】。

✅ 潰瘍性大腸炎は、大腸カメラで粘膜の炎症を確認し、必要に応じて組織検査を行うことで診断します【3】。

✅ 早期に診断して適切な治療を行うことで、症状を落ち着かせ、再燃を予防しながら生活することが期待できます【3】【4】。

 

池袋で下痢・腹痛・過敏性腸症候群が治らない症状にお悩みの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、下痢・腹痛・血便・粘液便などの消化器症状に対して、診察、血液検査、腹部エコー、大腸カメラなどを組み合わせて原因を確認しています。

「IBSと言われたけれど治らない」「検査を受けた方がよいか迷っている」という方は、自己判断で様子を見続けず一度ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

下痢や腹痛が治らないときに考える主な原因

「下痢が続く」「腹痛を繰り返す」「過敏性腸症候群の薬を飲んでも治らない」という症状では、過敏性腸症候群だけでなく、腸に炎症や出血を起こす病気も考える必要があります。

代表的な原因には、次のようなものがあります。

原因 主な特徴 確認したいポイント
過敏性腸症候群(IBS) 腹痛、下痢、便秘、ストレスで悪化しやすい 検査で炎症や腫瘍などの異常がないか
潰瘍性大腸炎 下痢、腹痛、血便、粘液便、発熱、だるさ 大腸カメラで粘膜の炎症があるか
クローン病 腹痛、下痢、体重減少、発熱、肛門症状 小腸・大腸を含めた炎症の範囲
感染性腸炎 急な下痢、腹痛、発熱、吐き気 発症時期、食事歴、周囲の感染状況
大腸ポリープ・大腸がん 血便、便が細い、便秘と下痢の変化、貧血、体重減少 大腸カメラで病変がないか

とくに、血便・粘液便・夜間の下痢・体重減少・貧血・発熱を伴う場合は、過敏性腸症候群だけでは説明しにくいことがあります【2】。

潰瘍性大腸炎とは?

今回の症例で見つかった潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。

主な症状は、下痢、腹痛、血便、粘液便、発熱、倦怠感などです。

症状が軽い時期には「お腹が弱いだけ」「ストレスによる下痢」「過敏性腸症候群」と思われてしまうこともあります。

潰瘍性大腸炎では、免疫の異常、腸内環境、遺伝的な要因、環境因子などが複雑に関係していると考えられていますが、明確な原因はまだ完全にはわかっていません【3】。

大切なのは、潰瘍性大腸炎は薬で炎症を抑え、寛解状態を維持することが目標になる病気という点です。症状が落ち着いたからといって自己判断で薬を中止すると、再燃することがあります【4】。

実際の治療例|20代男性「過敏性腸症候群が治らない」

【症状】

数年前から一日数回の下痢と腹痛があり、近医にて過敏性腸症候群と診断され投薬治療を受けていましたが、症状が改善しないととのことで当院を受診されました。

 

【診察】

下痢や腹痛はストレス時に悪化するとのことで過敏性腸症候群の症状としても矛盾はありませんでしたが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性的に腸に炎症を起こす炎症性腸疾患も否定はできない症状でした。

前医では検査はせずに症状のみで過敏性腸症候群と診断を受けたとのことで、ご本人と相談し大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行い腸の状態を確認してみることとしました。

 

【検査】

大腸内視鏡行うと大腸全体に広がる炎症を認めました。

生検を行い内視鏡所見と合わせて潰瘍性大腸炎と診断しました。

■実際の大腸カメラの画像■

大腸カメラで確認された潰瘍性大腸炎の粘膜炎症とびらんを示す内視鏡画像

大腸内視鏡画像です。 大腸粘膜全体に潰瘍性大腸炎と思われるびらん(黄色矢印部分)・炎症によるうっ血(青丸部分)を認めました。

 

【治療・経過】

潰瘍性大腸炎に対しての抗炎症薬(5-ASA)による内服治療を行い、と1週間ほどでで下痢・腹痛は著明に改善しました。

状態的には薬で症状が消えた状態=寛解状態となりました。

ただ、先述のように根本的な治療法はなく薬で炎症を抑えているだけであり、この寛解状態を維持するため投薬を継続しています。

(やめると高確率で再燃してしまいます。)

 

潰瘍性大腸炎と過敏性腸症候群の違い

過敏性腸症候群は「腸に炎症や腫瘍などの異常がないにも関わらず起こる腹痛や便通異常をきたす疾患」です。

ストレスや緊張で悪化しやすいのが特徴ですが、潰瘍性大腸炎も同じように腹痛や便通異常をきたし、かつストレスで増悪することもあり、

症状が合致するからと言って必ずしも過敏性腸症候群とは言えません。

今回のように症状が治らない場合はもちろん、過敏性腸症候群と診断する際にはしっかりと大腸内視鏡などの検査することが重要です。

項目 潰瘍性大腸炎 過敏性腸症候群(IBS)
原因 免疫異常による炎症 自律神経・腸の過敏性
主な症状 下痢・粘血便・発熱 下痢・便秘・腹痛
検査所見 大腸内視鏡で炎症・びらんを確認 器質的異常はなし
治療法 抗炎症薬・免疫調整薬 整腸剤・生活改善
重要ポイント 検査が必要な「疾患」 排除診断で確定する「症候群」

見た目の症状が似ていても、原因も治療法もまったく異なります。

「IBSだから大丈夫」と思い込み、検査を受けずに放置すると重症化することもあります。

 

受診の目安

過敏性腸症候群と診断されている方でも、次のような症状がある場合は、一度消化器内科で相談することをおすすめします。

  • 薬を飲んでも下痢や腹痛が改善しない
  • 便に血が混じる
  • 粘液のような便が出る
  • 夜間も下痢で目が覚める
  • 体重が減ってきた
  • 発熱や強いだるさがある
  • 貧血を指摘された
  • 便潜血検査で陽性になった
  • 家族に大腸がんや炎症性腸疾患の方がいる
  • 大腸カメラを一度も受けたことがない

これらは、過敏性腸症候群だけでは説明しにくい「警告症状」として扱われることがあります【2】。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

 

院長からのコメント

過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は、初期症状が似ているため混同されがちです。

特に「薬が効かない」「血が混じる」「体重減少」「夜間の下痢」がある場合は、必ず大腸内視鏡検査を受けることが重要です。

当院では鎮静剤を使用した「眠っている間に終わる内視鏡検査」に対応しています。

池袋上田胃腸クリニックの大腸カメラ

  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法、大腸に合わせたカメラの選択で苦しくない内視鏡検査

  • オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
  • 下剤の工夫による負担の少ない前処置
  • 土日対応、事前診察は原則不要

  • 池袋駅から徒歩5分

WEB予約はこちら

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問

Q1. 過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は症状だけで見分けられますか?

A. 症状だけで完全に見分けることは難しいです。どちらも下痢や腹痛を起こしますが、潰瘍性大腸炎では血便、粘液便、発熱、夜間の下痢、体重減少などを伴うことがあります。必要に応じて大腸カメラで腸の粘膜を確認します。

 

Q2. IBSの薬を飲んでも治らない場合、すぐ大腸カメラが必要ですか?

A. すべての方にすぐ必要とは限りませんが、症状が長引く、薬で改善しない、血便や粘液便がある、夜間の下痢がある、体重減少がある場合は、大腸カメラを検討します。

 

Q3. 潰瘍性大腸炎は若い人にも起こりますか?

A. はい。潰瘍性大腸炎は若い方にも起こります。20代、30代で下痢や腹痛、血便が続く場合も、単なるストレスや体質と決めつけず、消化器内科で相談することが大切です。

 

Q4. 潰瘍性大腸炎は完治しますか?

A. 現時点では、完全に治して薬が不要になるというより、薬で炎症を抑え、症状が落ち着いた寛解状態を維持することが治療の中心です。症状が落ち着いても、自己判断で薬を中止しないことが大切です。

 

Q5. 潰瘍性大腸炎の治療ではどのような薬を使いますか?

A. 軽症から中等症では5-ASA製剤が基本になることが多く、症状や炎症の程度によってステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤などを使うことがあります。治療内容は重症度や炎症の範囲によって変わります。

 

Q6. 大腸カメラで潰瘍性大腸炎はわかりますか?

A. 大腸カメラでは、大腸粘膜の赤み、びらん、潰瘍、出血しやすさなどを直接確認できます。必要に応じて組織を採取し、内視鏡所見と合わせて総合的に診断します。

 

Q7. 血便がなければ潰瘍性大腸炎ではありませんか?

A. 血便がないからといって完全に否定はできません。下痢や腹痛が長く続く場合、粘液便、発熱、体重減少、夜間の下痢などがある場合には、炎症性腸疾患を含めて確認することがあります。

 

Q8. ストレスで悪くなるなら過敏性腸症候群ですか?

A. ストレスで悪化する症状は過敏性腸症候群でよく見られますが、潰瘍性大腸炎などの病気でも体調やストレスの影響で症状が悪化することがあります。ストレスとの関連だけで判断するのは危険です。

 

Q9. 潰瘍性大腸炎は放置するとどうなりますか?

A. 炎症が続くと、下痢や腹痛、血便が長引いたり、貧血や体重減少を起こしたりすることがあります。また、長期間の炎症では大腸がんリスクにも注意が必要とされており、定期的なフォローが大切です。

 

Q10. 池袋で過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎の相談はできますか?

A. 池袋上田胃腸クリニックでは、下痢、腹痛、血便、粘液便、過敏性腸症候群が治らない症状などの診療を行っています。必要に応じて大腸カメラなどで原因を確認し、症状に合わせた治療を行います。

まとめ

過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎は、どちらも下痢や腹痛を起こすため、症状だけでは見分けにくいことがあります。

しかし、潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起こる病気であり、過敏性腸症候群とは治療方針が大きく異なります。

  • IBSと診断されても、薬で改善しない場合は再評価が必要です。
  • 血便、粘液便、夜間の下痢、体重減少、発熱がある場合は注意が必要です。
  • 潰瘍性大腸炎は、大腸カメラで粘膜の炎症を確認することが診断に重要です。
  • 適切な治療で症状を落ち着かせ、寛解状態を維持することが期待できます。
  • 自己判断で「ストレスのせい」「体質だから」と放置しないことが大切です。
過敏性腸症候群が治らない方へ

下痢や腹痛が続く場合、過敏性腸症候群だけでなく、潰瘍性大腸炎などの病気が隠れていることがあります。

当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。

「薬を飲んでも治らない」「血便や粘液便がある」「夜間も下痢で目が覚める」という方は、一度ご相談ください。

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

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東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

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参考文献

  1. Lacy BE, Mearin F, Chang L, et al. Bowel Disorders. Gastroenterology. 2016;150:1393-1407.
  2. Yang Q, et al. Predictive value of alarm symptoms in Rome IV irritable bowel syndrome. 2022.
  3. Ungaro R, Mehandru S, Allen PB, Peyrin-Biroulet L, Colombel JF. Ulcerative colitis. Lancet. 2017;389(10080):1756-1770.
  4. 日本消化器病学会. 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020.
  5. ECCO. Colorectal carcinoma surveillance in inflammatory bowel disease.

 

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