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「急性胃腸炎」と言われたのに治らない…実は“虚血性腸炎”だった実例|池袋上田胃腸クリニック

[2026.05.30]

「急性胃腸炎」と診断されたのに、なかなか治らない…。

実はその裏に腸の血流障害(虚血性腸炎)が隠れているケースがあります。

今回は、夜間救急で「急性胃腸炎」と診断されたものの症状が改善せず、翌朝に池袋上田胃腸クリニックを受診され、腹部エコーで虚血性腸炎と診断された50代女性の実例をもとに、注意すべき症状・検査・治療について、専門医の院長がわかりやすく解説します。

胃腸炎が治らずにでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 「急性胃腸炎」と診断されても、腹痛・下痢・血便が続く場合は再評価が必要です。

✅ 冷や汗が出るほどの強い腹痛のあとに血便が出る場合、虚血性腸炎が隠れていることがあります。

✅ 虚血性腸炎は、腸の血流が一時的に低下して大腸に炎症や出血を起こす病気です【1】。

✅ 腹部エコー・CT・大腸カメラなどを組み合わせて診断します。

✅ 症状が強い、血便が続く、水分がとれない場合は早めに消化器内科を受診しましょう。

 

腹痛・下痢・血便が続く方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、腹部エコー・大腸カメラなどを用いて、腹痛・下痢・血便の原因を丁寧に確認しています。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

腹痛や血便が続いている方は、以下のページも参考になります。
▶ 血便の原因と治療についてはこちら
▶ 腹部エコー検査についてはこちら
▶ 当院の大腸カメラについてはこちら

腹痛・下痢・血便を起こす主な原因

腹痛・下痢・血便がある場合、まず「急性胃腸炎」や「食あたり」を考えることが多いですが、それだけとは限りません。

特に、強い腹痛のあとに血便が出る薬を飲んでも腹痛が改善しない血便が続くといった場合には、以下のような病気を考える必要があります。

考えられる病気 特徴 注意点
虚血性腸炎 突然の腹痛のあと、下痢・血便が出ることが多い 便秘・脱水・動脈硬化などが関係することがあります
感染性腸炎 食事をきっかけに発熱・嘔吐・下痢が出ることがあります 血便や強い腹痛がある場合は注意が必要です
潰瘍性大腸炎 下痢・血便・腹痛が長引くことがあります 若い方でも起こるため、慢性的な症状では検査が必要です
大腸憩室出血 腹痛が少なく、突然多量の血便が出ることがあります 出血量が多い場合は早急な対応が必要です
大腸がん・大腸ポリープ 血便、便通異常、便が細い、貧血などで見つかることがあります 症状だけでは判断できないため、大腸カメラでの確認が重要です

虚血性腸炎とは?

虚血性腸炎とは、大腸への血流が一時的に悪くなり、腸の粘膜に炎症や出血が起こる病気です【1】。

典型的には、突然の腹痛から始まり、その後に下痢や血便が出ることがあります。特に左側の大腸に起こりやすく、左下腹部痛として感じることもあります【2】。

便秘、脱水、動脈硬化、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが背景にある方では、腸の血流が低下しやすくなることがあります。軽症例では安静・食事制限・点滴などで改善することが多い一方、重症例では入院や外科的治療が必要になることもあります【3】。

急性胃腸炎と虚血性腸炎の違い

急性胃腸炎と虚血性腸炎は、どちらも腹痛・下痢・吐き気を起こすことがあり、症状だけでは区別が難しいことがあります。

ただし、冷や汗が出るほどの強い腹痛や、腹痛のあとに血便が出る場合は、虚血性腸炎を含めた大腸の病気を疑う必要があります。

項目 急性胃腸炎 虚血性腸炎
主なきっかけ ウイルス・細菌・食事など 腸の血流低下、便秘、脱水など
腹痛 差し込む痛み、全体的な痛み 突然の強い腹痛、左下腹部痛が多い
血便 出ることもあるが、必ずではない 腹痛のあとに血便が出ることが多い
検査 症状・便検査・血液検査など 腹部エコー、CT、大腸カメラなど

実際の治療例|50代女性「急性胃腸炎と診断されたが治らない」

【症状】

夕食後しばらくしてから、冷や汗が出るほどの強い下腹部痛と嘔吐が出現。

しばらくすると血便を伴う下痢が始まり、心配になって救急病院を受診されました。

救急病院では血液検査とCT検査を行い、「食あたりによる急性胃腸炎」との診断を受けました。

整腸剤と痛み止めを処方されましたが、腹痛は改善せず、下痢・血便も持続。

翌朝、当院を受診されました。

 

【診察・検査】

来院時も下腹部に強い痛みと血便があり、脱水傾向を認めました。

腹部エコーを行うと下行結腸~S状結腸にかけて広範囲の炎症像を認め、症状と合わせて虚血性腸炎と診断しました。

■実際の腹部エコー画像■

虚血性腸炎で下行結腸に広範な壁肥厚を認めた腹部エコー画像

エコーでは虚血性腸炎に特徴的な下行結腸に広範な壁肥厚を認め(矢印部分)ました。

 

【治療】

虚血性腸炎の多くは、安静・絶食・点滴治療で自然に回復します。

重症例では入院や外科的治療が必要な場合もあります。

当院では、

・自宅安静

・痛みや下痢などの症状を抑える漢方や整腸剤などの内服薬

・食事療法(絶食からはじめ、症状の改善をみながら食事形態を上げていきます。)

を行い、数日で症状は改善しました。

 

【経過】

後日、虚血性腸炎の原因となる病変(大腸ガンなどによる通過障害など)を調べるため大腸内視鏡(大腸カメラ)を行いました。

大腸カメラで虚血性腸炎に特徴的な片側性の発赤とひきつれを認めた内視鏡画像

大腸内視鏡では虚血性腸炎に特徴的な片側性に発赤と引き連れを認めました(矢印部分) ほぼ治りかけの状態で、またガンなどの悪性所見もないため、診療は終了となりました。

受診の目安

急性胃腸炎と診断された場合でも、症状の経過によっては再受診が必要です。

  • 急性胃腸炎と診断されたが、腹痛が改善しない
  • 下痢だけでなく血便がある
  • 冷や汗が出るほどの強い腹痛がある
  • 水分がとれず脱水が心配
  • 発熱や強いだるさが続く
  • 黒い便が出る
  • 貧血を指摘されている
  • 便秘が強い方、高血圧・糖尿病・脂質異常症などがある方

「胃腸炎だから様子を見ればよい」と思っていても、虚血性腸炎や大腸炎、大腸がんなどが隠れていることがあります。不安な場合は早めにご相談ください。

血便がある方は、大腸の炎症や腫瘍性病変の確認が必要になることがあります。
▶ 血便の原因と治療についてはこちら
▶ 大腸がんについてはこちら

院長コメント

虚血性腸炎は、急性胃腸炎や感染性腸炎と症状が似ているため、初期には区別が難しいことがあります。

特に、腹痛・下痢・嘔吐といった症状だけを見ると「胃腸炎」と考えられやすいのですが、血便を伴う場合腹痛が強く続く場合には、虚血性腸炎や炎症性腸疾患、大腸がんなども考える必要があります。

今回のように、腹部エコーで大腸の壁肥厚や炎症の範囲を確認することで、診断につながることがあります。さらに、症状が落ち着いた後に大腸カメラを行うことで、がんやポリープ、慢性炎症性疾患などが隠れていないかを確認できます。

「急性胃腸炎と言われたけれど治らない」「腹痛と血便が続く」という方は、我慢せずにご相談ください。

池袋で腹痛・下痢・血便にお悩みの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、腹部エコー・大腸カメラなどを用いて、症状の原因を丁寧に確認しています。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 急性胃腸炎と診断されたのに治らない場合、何を疑いますか?

A. 急性胃腸炎だけでなく、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、感染性腸炎の重症例、大腸憩室出血、大腸がんなどを考える必要があります。腹痛・下痢・血便が続く場合は、消化器内科で再評価を受けることをおすすめします。

 

Q2. 虚血性腸炎とはどのような病気ですか?

A. 虚血性腸炎は、大腸への血流が一時的に悪くなり、腸の粘膜に炎症や出血が起こる病気です。突然の腹痛のあとに下痢や血便が出ることがあります。

 

Q3. 急性胃腸炎と虚血性腸炎は症状で見分けられますか?

A. 症状だけで完全に見分けることは難しいです。ただし、冷や汗が出るほどの強い腹痛のあとに血便が出る場合や、腹痛がなかなか改善しない場合は、虚血性腸炎を含めた大腸の病気を疑います。

 

Q4. 血便がある場合、何日くらい様子を見てもよいですか?

A. 血便がある場合は、自己判断で長く様子を見ることはおすすめできません。特に腹痛を伴う血便、血便が繰り返す、量が多い、貧血やふらつきがある場合は早めに受診してください。

 

Q5. 腹部エコーで虚血性腸炎はわかりますか?

A. 腹部エコーで大腸の壁肥厚や炎症の範囲を確認できることがあり、症状と合わせて診断の手がかりになります。ただし、必要に応じてCTや大腸カメラなどを組み合わせて判断します。

 

Q6. 大腸カメラはすぐに必要ですか?

A. 症状が強い急性期には、まず安静や点滴などで状態を落ち着かせることがあります。その後、炎症が落ち着いた時期に、大腸がんや炎症性腸疾患などが隠れていないか確認する目的で大腸カメラを行うことがあります。

 

Q7. 虚血性腸炎は入院が必要ですか?

A. 軽症で全身状態が安定していれば外来治療で改善することもあります。一方で、腹痛が非常に強い、脱水が強い、発熱が続く、炎症が重い、食事や水分がとれない場合などは入院が必要になることがあります。

 

Q8. 虚血性腸炎は再発しますか?

A. 再発することがあります。便秘、脱水、生活習慣病、動脈硬化などが背景にある場合は、再発予防として便通管理や水分摂取、基礎疾患のコントロールが大切です。

 

Q9. 食事はいつから再開できますか?

A. 腹痛や血便が強い時期は、無理に食べず腸を休ませることがあります。症状が改善してきたら、医師の指示のもとでお粥、うどん、スープなど消化のよい食事から少しずつ再開します。

 

Q10. 池袋で腹痛・下痢・血便がある場合、予約なしでも受診できますか?

A. 池袋上田胃腸クリニックでは、ご予約がない方でも受付時間内に受診していただければ診察可能です。症状が強い場合や血便がある場合は、早めにご相談ください。WEB予約・電話予約も受け付けています。

まとめ

急性胃腸炎と診断されても、腹痛・下痢・血便が続く場合には、虚血性腸炎など別の病気が隠れていることがあります。

  • 急性胃腸炎と診断されても、治らない場合は再評価が必要です。
  • 強い腹痛のあとに血便が出る場合、虚血性腸炎を疑います。
  • 腹部エコーで大腸の炎症が確認できることがあります。
  • 症状が落ち着いた後に、大腸カメラで大腸がんや炎症性腸疾患がないか確認することがあります。
  • 血便・強い腹痛・脱水がある場合は早めに消化器内科を受診しましょう。
急性胃腸炎が治らず、腹痛・下痢・血便が続く方へ

「胃腸炎だと思っていたけれど治らない」「血便が出て不安」という場合は、虚血性腸炎や大腸の病気が隠れていることがあります。

池袋上田胃腸クリニックでは、腹部エコー・大腸カメラなどを用いて、症状の原因を丁寧に確認しています。気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。

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📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903

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参考文献

  1. MSD Manual Professional Version. Ischemic Colitis. https://www.msdmanuals.com/professional/gastrointestinal-disorders/acute-abdomen-and-surgical-gastroenterology/ischemic-colitis
  2. Mayo Clinic. Ischemic colitis - Symptoms and causes. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ischemic-colitis/symptoms-causes/syc-20374001
  3. Mayo Clinic. Ischemic colitis - Diagnosis and treatment. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ischemic-colitis/diagnosis-treatment/drc-20374005
  4. Ahmed M. Ischemic bowel disease in 2021. World J Gastroenterol. 2021;27(29):4746-4762.
  5. Theodoropoulou A, Koutroubakis IE. Ischemic colitis: Clinical practice in diagnosis and treatment. World J Gastroenterol. 2008;14(48):7302-7308.

関連ページ

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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