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【虚血性腸炎】突然の腹痛・下痢・血便は注意サイン?原因・症状と当院の実例

 

💡この記事はこのような方におすすめです

✅ 突然、強い腹痛が起こった方

✅ 腹痛の後に下痢や血便が出た方

✅ 左下腹部を中心に強く痛む方

✅ 便器が赤くなるほどの血便が出た方

✅ 便秘の後に腹痛や血便が出た方

✅ 虚血性腸炎と診断され、治療や食事について知りたい方

✅ 血便の原因が痔なのか大腸の病気なのか不安な方

この記事でわかること

  • 虚血性腸炎とはどのような病気か
  • 突然の腹痛・下痢・血便が起こる理由
  • 虚血性腸炎を起こしやすい方の特徴
  • 感染性腸炎・潰瘍性大腸炎・大腸がんとの違い
  • 腹部エコー・CT・大腸カメラの役割
  • 外来治療と入院治療の違い
  • すぐに受診した方がよい症状

 

「急に冷や汗が出るほどの腹痛が起きた」「突然の下痢や血便」

──そんな症状がある場合、虚血性腸炎の可能性があります。

一見すると感染性腸炎や痔のように見えることもありますが、適切な診察と検査が必要な病気です。

この記事では、実際に当院で診断・治療を行ったケースを交えながら、虚血性腸炎の症状・原因・検査・治療について専門医の院長がわかりやすくご紹介します。

強い腹痛や下痢・血便でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

池袋上田胃腸クリニックでは、突然の腹痛・下痢・血便に対する診察を行っています。

症状や診察所見に応じて、血液検査や腹部エコーなどを組み合わせ、必要な検査と治療方針を判断します。

池袋周辺で腹痛や下痢・血便でお悩みの方はご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

虚血性腸炎とは?

「虚血性腸炎」とは、大腸に栄養や酸素を供給するための血管が一時的に詰まってしまうことで、大腸に炎症(粘膜のただれ・潰瘍など)が起こる病気です。

虚血を起こしやすい場所は、主に次の部分です。

  • 下行結腸
  • S状結腸
  • 脾彎曲部周辺

これらは大腸の左側に位置するため、虚血性腸炎では左の側腹部から左下腹部に痛みが出ることが多くあります。

虚血性腸炎を起こす原因は?

虚血性腸炎は、大腸に流れる血液が一時的に不足することで起こります。

発症には、大きく分けて次の2つの要因が関係します。

要因 具体例 起こること
血流が低下する要因 動脈硬化、脱水、低血圧、心臓病、不整脈など 大腸に届く血液や酸素が少なくなる
腸管内の圧力が上がる要因 便秘、強いいきみ、下剤、浣腸など 腸の壁の細い血管が圧迫される

もともと血管が細くなっていたり、血流が低下しやすい状態に、便秘などによる腸管内圧の上昇が重なることで、発症しやすくなると考えられています1,2。

虚血性腸炎を起こしやすい方

  • 便秘が続いている方
  • 高血圧がある方
  • 糖尿病がある方
  • 脂質異常症がある方
  • 動脈硬化を指摘されている方
  • 虚血性心疾患や不整脈がある方
  • 脱水状態になっている方
  • 下剤や浣腸を使用した後に症状が出た方
  • 過去に虚血性腸炎を起こした方

虚血性腸炎は中高年の方に多い病気ですが、若い方でも発症することがあります。特に便秘、脱水、下剤の使用などがきっかけになる場合があります。

虚血性腸炎の症状は?

虚血性腸炎の代表的な症状は、次の3つです。

  1. 突然の腹痛
  2. 下痢
  3. 血便

典型的には、突然腹痛が起こり、その後に便意や下痢が現れ、時間がたってから血便が出ます。

突然の腹痛

左側腹部から左下腹部にかけて、突然強い痛みが起こることがあります。冷や汗が出るほど痛む場合や、波のある締めつけるような痛みとして感じる場合もあります。

下痢

腹痛に続いて、水のような下痢や軟便が数回起こることがあります。最初は通常の下痢でも、途中から血が混じることがあります。

血便

鮮やかな赤い血や暗赤色の血が便に混じることがあります。便器が赤くなる、血液だけが出る、血液と粘液が混ざるといった出方もあります。

吐き気・嘔吐・お腹の張り

炎症が強い場合は、吐き気、嘔吐、お腹の張りを伴うことがあります。腸閉塞や腸管壊死などの重い状態でも起こるため、強い腹痛を伴う場合は注意が必要です。

血便が出た場合、虚血性腸炎だけでなく、大腸がん、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、大腸憩室出血なども考える必要があります。

血便の原因と検査・治療について詳しく見る

虚血性腸炎の

まずは問診で

  • 発症状況
  • 腹痛の部位
  • 便の状態(下痢・血便の有無など)

を確認し、血液検査や腹部エコーの検査で診断を行います。

大腸カメラを行うこともありますが、実は虚血性腸炎は問診とエコーで診断がつく場合がほとんどです。

血液検査

炎症の程度や下血による貧血がないかを調べます

腹部エコー

腸管の炎症の場所や浮腫みの状態を見ます。

外来で簡単に出来、他に同じような症状を来す病気として「感染性腸炎」や「炎症性腸疾患」「大腸憩室炎・憩室出血」などもありますが、それぞれエコーでも所見が異なるため、急性期の鑑別のため非常に有用です。

【 実際の虚血性腸炎のエコー所見】

腹痛のある部分にエコーをあてると、下行結腸の壁が広範に肥厚していました。

粘膜下層という部分の炎症が強くこの部分が厚くなっているため、全体的に白っぽく描出されます。(矢印に囲まれた領域)

このエコー所見と問診・診察と合わせ虚血性腸炎と診断します。

 

大腸内視鏡(大腸カメラ)

粘膜の状態を直接確認することが出来ます。ただ、虚血性腸炎の急性期に行うと腹痛を伴うことが多いため、エコーなどで診断がつかない場合などに行います。

どちらかというと症状が落ち着いた後に、下血を来す他の病気(大腸がんや炎症性腸疾患)がないかを確認するために行う方が多いです。

【虚血性腸炎の大腸内視鏡(大腸カメラ)所見】

虚血性腸炎

虚血性腸炎の治療は?

症状は2-4日で落ち着くことがほとんどなので、外来で通院して頂きながら様子を見ます。

治療としては、

・自宅安静

・内服・食事療法 :腹痛や炎症を抑える薬を使用しつつ、症状が強い時は絶食で水分のみを取って頂きます。

症状が改善してきたら、徐々にお食事を召し上がっていただきます。

(流動物:スープ・ミキサー食 → 半固形物:ウィダーインゼリー・プリン → 消化のいいもの:おかゆ、素うどん)

 ただし、痛みが強い時や下血が激しい時は入院を考えます。

虚血性腸炎はどのくらいで治る?

軽症の一過性型では、腹痛や血便が数日以内に改善することが多く、大腸粘膜も時間とともに回復します3,4。

ただし、回復にかかる期間は炎症の範囲や重症度によって異なります。

症状が改善しない、いったん軽くなった後に再び悪化した場合は、次の可能性を考える必要があります。

  • 炎症が強い
  • 腸管壊死を起こしている
  • 腸が狭くなっている
  • 感染性腸炎など別の病気である
  • 大腸がんや炎症性腸疾患が隠れている

虚血性腸炎は再発する?

虚血性腸炎は、治療後に再発することがあります1。

特に、便秘、脱水、動脈硬化などのリスクが残っている場合は、再発予防が重要です。

再発予防のポイント
  • 便秘を放置しない
  • 水分を適切に取る
  • 無理ないきみを避ける
  • 下剤を自己判断で増減しない
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症を治療する
  • 適度に体を動かす
  • 血便や腹痛が再発したら早めに受診する

便秘薬には複数の種類があり、症状や持病に合わない使い方をすると、下痢や腹痛を起こすことがあります。便秘を繰り返している方は、医療機関で便通の状態を確認しましょう。

便秘の原因・検査・治療について詳しく見る

池袋上田胃腸クリニックでは、虚血性腸炎に対して最短で当日中に検査・診断できる体制を整えています。

同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

実際の治療例

50代女性 激しい腹痛・下痢・血便

【症状】

前日夕食後3時間ほどしてから冷や汗が出るほどの突然激しい腹痛が出現し、しばらくして水下痢が起こり始め、夜間に数回下痢を繰り返し、

途中から血便を伴ったとのことで当院を初診されました。

【診察】

触診では左下腹部に強い圧痛を認め、症状と合わせて虚血性腸炎を疑い、鑑別診断として感染性胃腸や潰瘍性大腸炎などを考えました。

【検査】

腹部エコーにて下行結腸からS状結腸にかけて腸管の壁の肥厚を認め、虚血性腸炎と診断しました。

下行結腸の画像です。 水色矢印の範囲で腸管が浮腫み、粘膜下層が炎症で白く見えます (黄色矢印)

【治療・経過】

血液検査での炎症反応は軽微な上昇のみで、血便による貧血や大腸の炎症による腸閉塞などもないため、入院は必要なく、食事制限と痛みや炎症に対しての内服薬で外来治療としました。

その後、痛みは翌日にはかなり改善し、食事制限を徐々に解除しましたが再燃なく、無事に治療完了となりました。

受診の目安|腹痛や血便を様子見しない方がよいケース

次のような症状がある場合は、早めに消化器内科を受診してください。

  • 突然、強い腹痛が起こった
  • 腹痛に続いて下痢や血便が出た
  • 血便を繰り返している
  • 左下腹部を押すと強く痛む
  • 便器が赤くなるほどの血便が出た
  • 発熱を伴っている
  • 便秘の後に腹痛と血便が出た
  • 過去に虚血性腸炎を起こしたことがある
  • 血液をサラサラにする薬を服用している
  • 腹痛や血便が改善しない

救急受診を検討した方がよい症状

次のような場合は、外来予約を待たず、救急医療機関への相談を検討してください。

  • 立っていられないほど腹痛が強い
  • 大量の血便が続いている
  • めまい、冷や汗、動悸、意識が遠のく感じがある
  • 水分が取れず、尿がほとんど出ない
  • 繰り返し嘔吐している
  • 高熱がある
  • 時間とともに腹痛が強くなっている

虚血性腸炎についてよくある質問

Q1.虚血性腸炎とはどのような病気ですか?

大腸への血流が一時的に低下し、大腸の粘膜に炎症や潰瘍が起こる病気です。突然の腹痛、下痢、血便が代表的な症状です。

 

Q2.虚血性腸炎の代表的な症状は何ですか?

突然の腹痛、下痢、血便が代表的です。特に左側腹部から左下腹部に痛みが出やすく、腹痛の後に下痢や血便が起こることがあります。

 

Q3.虚血性腸炎は便秘が原因になりますか?

便秘は発症に関係する要因の一つです。硬い便や強いいきみによって大腸内の圧力が上がり、腸の壁の血流が低下することで発症しやすくなると考えられています。

 

Q4.若い人でも虚血性腸炎になりますか?

中高年に多い病気ですが、若い方でも発症します。便秘、脱水、下剤の使用、血管の一時的な収縮などが関係することがあります。

 

Q5.虚血性腸炎は何日くらいで治りますか?

軽症では数日以内に腹痛や血便が改善することが多いです。ただし、炎症の範囲や重症度によって回復期間は異なります。症状が続く場合や悪化する場合は再診が必要です。

 

Q6.虚血性腸炎では大腸カメラが必要ですか?

すべての方に急性期の大腸カメラが必要とは限りません。症状や重症度に応じて実施を判断します。また、症状が落ち着いた後に、大腸がんや炎症性腸疾患などが隠れていないか確認する目的で行うことがあります。

 

Q7.虚血性腸炎は入院が必要ですか?

軽症で全身状態が安定していれば、外来治療が可能なことがあります。一方、腹痛や血便が強い、脱水がある、発熱している、貧血が進んでいる場合などは入院を検討します。

 

Q8.虚血性腸炎のときは何を食べればよいですか?

症状が強い時期は腸を休ませ、改善後におかゆ、やわらかいうどん、スープ、豆腐など消化しやすいものを少量から再開します。食事の開始時期は症状によって異なるため、医師の指示に従ってください。

 

Q9.虚血性腸炎は再発しますか?

再発することがあります。便秘、脱水、高血圧、糖尿病、動脈硬化などのリスクを整え、腹痛や血便が再び出た場合は早めに受診することが大切です。

 

Q10.血便が出ても痔なら様子を見てよいですか?

血便の原因を色や見た目だけで痔と判断することはできません。虚血性腸炎、大腸がん、感染性腸炎、大腸憩室出血などでも血便が出ます。初めての血便や腹痛を伴う血便は、消化器内科へご相談ください。

まとめ

虚血性腸炎は痛みが激しく血便も伴うことが多いため、重篤な疾患と思ってしまいますが、しっかり診察と検査を行い診断をつければ外来で経過を見ることができる疾患です。

ただし、同様の症状を伴う別の疾患もあるため、症状がある際はまず医療機関を受診し適切な診断を行い治療方針を見極めることが大切です。

また、治療完了後も実際に虚血性腸炎以外の病気がないかどうかを大腸カメラ(内視鏡検査)を行って確認しておくことも必要です。

症状でお悩みの方は当院にご相談ください

池袋上田胃腸クリニックでは、腹痛・下痢・血便の診察を行っています。

虚血性腸炎だけでなく、感染性腸炎、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎、大腸がんなども考えながら、症状に応じて検査を行います。

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医師紹介・アクセス・診療時間

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

診療時間

診療時間 月 火 水 木 金 土 日
8:30〜12:30 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
13:30〜17:00 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇

休診日:金曜日午後・祝日

診療は完全予約制です。

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

関連ページ

参考文献

  1. Brandt LJ, Feuerstadt P, Longstreth GF, et al. ACG Clinical Guideline: Epidemiology, Risk Factors, Patterns of Presentation, Diagnosis, and Management of Colon Ischemia. Am J Gastroenterol. 2015;110:18-44.
  2. Suh DC, Kahler KH, Choi IS, et al. Patients with irritable bowel syndrome or constipation have an increased risk for ischaemic colitis. Aliment Pharmacol Ther. 2007;25:681-692.
  3. Washington C, Carmichael JC. Management of ischemic colitis. Clin Colon Rectal Surg. 2012;25:228-235.
  4. Hung A, Calderbank T, Samaan MA, et al. Ischaemic colitis: practical challenges and evidence-based recommendations for management. Frontline Gastroenterol. 2021;12:44-52.
  5. Xu Y, Xiong L, Li Y, et al. Diagnostic methods and drug therapies in patients with ischemic colitis. Int J Colorectal Dis. 2021;36:47-56.

 

 

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