検診結果についてのQ&A
診療についてよく受けるご質問をまとめております。
胃のバリウム検査でポリープがあると言われましたが、内視鏡(胃カメラ)検査を受けた方がいいでしょうか?
受けた方がよい場合と受けずに様子を見てもよい場合があります。
ポリープと聞くと悪い病気のイメージがありますが、実は胃のポリープはほとんどが良性で胃底腺ポリープと言われるものが大多数を占めます。
ですので、すでに胃カメラを受けられており、胃底腺ポリープと確定診断を受けられている方は、以前のバリウム検査時と比べポリープの形態が変化していたり増大していなければ、胃カメラは特に必要ないと思います。
逆に今まで一度も胃カメラを受けていない方は、念のため胃カメラでポリープの状態を確認した方がよいでしょう。
また、初期の胃がんの中にはポリープのような形態をとるものがあります。
胃がんはピロリ菌が原因で発症する場合がほとんどで、萎縮性胃炎という状態を伴っていますので、胃のポリープに加えて胃炎がある場合などは、胃カメラを受けて、良性ポリープかどうかを確認して頂くことを強くお勧めしています。
<胃カメラを受けた方がいいケース>
・胃炎を伴っている場合
・今まで一度も胃カメラを受けたことがない方
・前年と比べてポリープの数が増えたり、大きくなったりした場合
◆関連ページ
※巣鴨駅前胃腸内科クリニックのページにリンクします
便潜血検査で陽性が出たのですが、内視鏡(大腸カメラ)を受けた方がいいですか?以前から痔があるので、多分そのせいだと思うのですが?
基本的には大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けることをお勧めします。
大腸がん検診として行われている便潜血検査は文字通り便の中に潜んでいる血液の反応をみる検査です。
大腸がんがあると病変から出血して血が混じることがあり、実際に便潜血反応陽性の方に大腸カメラの検査をすると、3%程度に大腸がんが見つかっています。
痔の出血だと思って放っておいたら、実はその奥にあるがんからの出血だった、ということもありえるのです。
実際に便潜血陽性反応後に大腸内視鏡を施行しなかった方は施行した方に比べ、直腸ガン・大腸ガンによる死亡率が2倍以上になったとの報告(※1)もあり、便潜血陽性の方は大腸内視鏡検査を受けることが大切です。
大腸がんではない残りの97%くらいの方は、本当にただの痔であったり、炎症であったりしますが、その中には大腸ポリープが見つかる方も大勢おられます。
大腸がんはポリープが大きくなってがん化するケースがほとんどで、ポリープを切除することで大腸がんの予防につながりますので、がんは見つからなくても大腸カメラを受ける意味は大きいと考えます。
また早期がんなどは出血を来しにくく、便潜血検査が陰性だから大腸がんではないとは言い切れません。
ですので、大腸がんの好発年齢に差し掛かってくる40歳になられたら、一度は大腸カメラをうけることをお勧めしています。
そして、大腸カメラにて大腸の中の状態を評価しておけば、「次の大腸カメラは○○年後」という目安もお伝えすることができます。
参考文献;※1 Zorzi M et al Gut 2022;71(3):561-567 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
◆関連ページ
実際の治療例 “便潜血検査陽性” ;便潜血検査陽性の方の診療事例をご覧いただけます
血便外来;血便の原因や必要な検査・治療などについて
肝臓の数値が高いと言われたのですが、どのような検査を受ければいいですか?
血液検査の再検査や腹部エコー検査を受けましょう。
肝臓の数値は一過性に上昇することもあり、異常値が持続しているかどうかの確認や、肝炎ウィルス・自己抗体などの肝障害の原因となる疾患を血液検査で検査します。
また併せて腹部エコーで肝臓に腫瘍や炎症がないかを確認し、数値と画像で状態を評価していきます。
関連ページ: